番外編 漫画をつくろう1
ドウェルから帰還した俺は行商に来た商人から『ソウズィの遺物』ではないかというもの渡されたものを確認していた。たいていこういうのもは偽物ばかりなのだが、万が一のことがあるので、チェックするのも仕事のうちである。
そんな中、珍しく本があったので手に取ってみる。
「これは……絵本とも違うな……」
その本には不思議な書式だった。絵の隣にセリフが書かれているのである。疑問に思った俺が『世界図書館』を使うと、脳内に情報が入ってくる。
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漫画
絵と台詞の組み合わせでストーリーを展開するイラスト物語であり、元は風刺画などとして扱われていたが時代がたつにつれて娯楽へと昇華されていった。
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「ほう…これはなかなか面白いな……小説よりもとっつくやすく、絵本よりは自由度が高いじゃないか」
これならば大人でも楽しめるものができるかもしれない。そして、うまくいけばアスガルドの新しい名物にもなるかもれないのだ。
善は急げとばかりに鈴を鳴らすと、即座にノックの音が響く。いや、流石に早すぎない? ずっと扉の前で待っていたわけではないよな? と思いつつ返事する。
「ああ、入ってくれ」
「失礼いたします。どうしました、マスター? これは……漫画ですか、随分と懐かしいものですね」
お辞儀をして入ってきたガラテアに漫画をみせると彼女は目を大きく見開いた後に懐かしそうな笑みを浮かべた。
「ガラテアはこの漫画を読んだことがあるのか」
「はい、昔、父がこの世界に持ち込んだものです。私もたくさん読ませていただき内容はインプットしています。ただ、父の死後にはあまり普及せず遠くのハルハバラという地でのみ流通していると噂を聞いたことがあります」
「やはり異世界の文化だったか……」
すたれた原因はこれを再現できる人間が少なかったのだろう。確かに独特な書き方をしている上に、色々と考えることが多そうだ。
だけど、このアスガルドには異世界の文化に詳しい人物がいる。
「だったらさ、俺たちでも作ってみないか? この漫画ってやつを流行らしてみたいんだ。ガラテアならある程度書けたりしないか?」
俺の提案にガラテアが暗い顔で答える。
「それは……確かに可能ですが……一つ問題がありまして、ロボットである私には物語を作り出す力がないのです」
すっかり人間と同じだから気にしていなかったが、ガラテアにもできないことはあるんだよな……だけど、それならば解決策がある。
「だったらさ……物語は領民に作ってもらおう、それをガラテアが漫画にするってのはどうだ?」
「なるほど……流石です、グレイス様!!」
そうして、アスガルドで漫画をつくるために原作を募集することが決まったのだった。
というわけでコミカライズがはじまりました。
水曜日のシリウス様で連載開始です。
ニコニコ静画で無料で読めますので是非読んでくださると嬉しいです。




