85.戦いの後で
乾いた音が響くたびに鉱山アリが息絶えていく。俺の弾丸とヴィグナの魔法銃剣による一撃が、周りの鉱山アリを倒していき、ようやく周り鉱山アリたちが全滅した。
ゲオルグや随分と数を減らしたその部下たちも鉱山アリを倒しているがそれはどうでもいい。俺の視線に入ったのは……
「マスター……ご安心を、女王アリはこのガラテアが倒しました」
そういって女王アリの腹から剣をガラテアが引き抜くと、返り血をまき散らしながらその巨体が崩れるように倒れていった。
そしてガラテアはアダマンタイトで造られた剣を片手にゲオルグたちを睨みつける。
そう、これで女王アリを倒したのだ。だけどイレギュラーなこともあった。それが目の前のこいつらである。本来はゲオルグたちを囮にしている間に女王アリを始末する予定だった。だが、最悪なことにこいつらと鉢合わせてしまっている。
さすがに襲ってはこないと思うが、手柄をよこせとか言ってこないだろうな……
「そこのゴーレム、俺の剣を返せ」
「マスター!!」
「ゲオルグ……女王アリを倒したのは俺たちだ。わかっているな」
ゲオルグの言葉を無視して、俺は睨みつける。昔は俺とは違い恵まれた体格に、圧倒的な剣技を持っていた長兄を俺は怖かった。だけど、なぜだろう、今はかつてとは違い恐怖を感じない。
それだけ俺も自分に自信を持つことができて、色々な意味で強くなったという事だろう。
「我が国は強さが全てだ」
「……」
「力をもって女王アリを打ち破ったものの功績を奪うほど俺は堕ちていない。だが、今回はお前が女王アリを倒せたのは来たのが早かったから倒せただけだ。俺たちだけでも女王アリは倒すことができた。それだけは忘れるなよ」
ガラテアから奪うように取り返したゲオルグはそのまま背を向けて、去っていくのを見て、俺は肩の荷が降りるのを感じた。
緊張が途切れ倒れそうになった俺を慌ててヴィグナが支えてくれる。
「グレイス、大丈夫!?」
「ああ、悪い……まだ終わってないしな。変異種だっているんだ。生き残りをある程度倒したら一回街に戻るぞ」
とはいえ、女王アリを倒した以上鉱山アリたちは増えない。あとは、鉱山の日常も戻ってくるだろう。俺たちは無事救うことができたということだろう。
そんな風に考えて戻った俺が聞いたのはニールが変異種を倒したという事、そして、カイルが負傷したという事だった。
やっと決着がついた……
新作で追放ものを投稿してみました。
「全てのバグを浄化していた『バグコレクター』異世界に追放される~新たな世界で信者0の女神と気ままにスローライフしていたらいつの間にか救世主になっていた件~そういや無限増殖バグの浄化中だったんだが大丈夫?」
https://book1.adouzi.eu.org/n2060if/
元の世界でこきつかわれながらバグという世界の歪みを浄化していた主人公が、バグがあふれる異世界に追放されるという追放ものです。
本来ならば絶望するのですが、主人公はバグが大好きなので、新しい世界で楽しみながらバグを集めて最強になっていくという話です。
よろしくお願いいたします。




