81.意外な再会
後方に魔法の鳴り響く音を背後に蒸気自動車に乗ったニールと比較的軽傷の兵士たち数人で次期女王アリを探すために、カイルの示した方向へと向かっていた。
「なあ、ニール……仮面の男って俺たちのアスガルドを襲ったカイルってやつじゃないのか? 信じていいのかよ?」
「……多分大丈夫だと思う」
ニールは歯切れ悪くも頷く。彼としてもカイルには散々いたぶられた相手なのだ。何も感じていないわけではない。だけど、自分たちに託すといったあの顔は信じられるような気がしたし、ルビーの世話をしている彼はどこか楽しそうだった。
それになによりもグレイスが彼を信じろと言ったのだ。
多分グレイス様はあいつの正体を知っていたはずだ。それでここの守りを託したんだったら俺も信じるべきだろう。
「何かあったときは俺がグレイス様に説明するよ。それよりも俺たちは女王アリを探そう!!」
「「ああ!!」」
そうして、ニールたちは鉱山アリたちを探し始めるが、なかなか見つからない。そもそもだ。大体の方向が分かっているだけに過ぎないのだ。しかも、特殊個体は賢いのか、部下らしき鉱山アリをまばらに配置しているせいか、新女王アリの居場所が特定できないでいた。
「まさか、もう逃げたんじゃ……」
みんなの中に焦りの色が強くなった時だった。鉱山の奥から発砲音が鳴り響いた。仲間はみんな周囲にいるというのに誰だろう?
ニールたちが慌てて向かうとそこでは何体もの鉱山アリに囲まれている何者かがいた。しかも、その服装はアスガルドの人間の装備ではない。
「ゲオルグの部下か……どうするニール?」
「とりあえず、助けるしかないだろ!! みんなは後方から援護射撃を!! 俺が突っ込む!!」
叫びながらニールは蒸気自動車を走られながら砲身からショットガンを放つ。轟音と共に鉱山アリを射抜いていき、その数をどんどん減らしてく。
「おい、大丈夫か?」
「ああ……たすかったよ……」
鉱山アリに囲まれていたやつは何とか無事なようだ。怪我こそしているが意識ははっきりとしているようでしっかりとした返事が返ってきた。
そして、ニールはその人影の正体に気づいた。
「……ワーグナーなのか?」
そう、鉱山アリに囲まれて傷だらけになったのはゲオルグの元へ行ったはずのワーグナーだったのだ。
彼はなんでここにいたのか……
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ギロチン刑に処されタイムリープした皇子が、処刑から逃れるために周りに優しくして言ったら、なぜか皆に理想の王とあがめられるようになる勘違いものです。
よろしくお願いします。
『嫌われ悪役皇子のやりなおし~人の心がわからないとギロチン刑に処され、死に戻った俺は、保身のために『善行ポイント』を貯めていたら、なぜか皆に慕われ『理想の聖王』と呼ばれるようになっていました~』
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