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2-5 ジモティーズ(5)






 結局、あれから二時間。

 僕達はファミレスですごした。


 注文はドリンクバーで繋ぎつつ、みんなとさっくばらんな会話を楽しんだ。

 気がつけば時間が経っていたというぐあいで、時間の流れがこれ以上ないくらい早く感じた。


 皆、世代は違うけど、話題はたくさんあった気がする。

 勉強のことは共通として、将来の夢や最新のエンタメ情報までいろいろと話し合った。


 違う学校の山口さんやイケメンの長谷川さんとも思ったより話が弾んでいて、あまり付き合いのない人特有の違和感みたいなのものがほとんどなかったくらいだ。


「じゃあ、綾」


「うん」


「また明日」


「春、また明日ね」


「絵里ちゃんもまたね」


「はい。さよならです先輩」


 綾はファミレス近くのバス停へ。

 絵里ちゃんは家の方向へ。

 綾や絵里ちゃんと別れ、同じようにあいさつを交わしている直の方へと歩いていく。


「さて、直」


「何?」


「僕達も帰ろっか」


「ん」


 そして僕達は、まだ道端で話し込んでいる他の人達に別れを告げようとする。

 けど、そこで竹内さんに話しかけられた。


「今日はありがとね、春くん。おかげで助かった」


「あ、いえ」


「ううん、ほんとにありがとう」


 やはり癒される声。

 疲れが一気に吹き飛ぶ。


「直ちゃんもありがと」


「由貴」


「ん?」


「私はスケッチしてただけ」


「ううん。それでもうれしかった」


「そう」


「そうだから」


 あっさりとした笑顔で竹内さんが言う。


「ともあれ、何とか人数が少ないのを乗り切れた」


「そうですね」


「ほんと、どうなることかと思ったけどね」


 くすりと笑う竹内さん。

 やっぱり彼女には、さっぱり美人という言葉がよく似合う。 


「だから、二人には感謝」


「いえ、そんなたいしたことしていません。ね、直」


「ん」


「いいや、感謝、感謝」


 竹内さんは懲りずに何度もお礼を言ってくる。

 おかげで、なんだか照れくさくなってきた。


「じゃあ、直と僕は帰りますので」


「うん、わかった。それじゃあ気をつけて」


「はい」


「あ、言い忘れてたけど、また今度美咲達と一緒に鍋をしよ」


「そうですね」


「ん」


 と、直もうなずく。


「でも、きっと今度の鍋のときはは美咲がふられる頃合いで、大変かもしれないけどね」


「あ、それは困ります」


「そうだね。そのときは私も美咲を一生懸命励ますよ。じゃあ、そのときまでまたね」


「はい。さよなら竹内さん」


「さよなら、由貴」


 そして僕達は家路へと向かう。






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