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【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました  作者: 鳥山正人
第4章 死獣の力

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82/100

82話

ボクの名前は三上ハヤト。小さいクランながらもトップを走っていた生産クランのブルーオウルのリーダーを務めている。


いや、今となっては務めていたと言った方がいいのかもしれない。


ボクがブルーオウルのクランハウスに行かなくなってから3週間。始めの1週間くらいはみんなから心配するメッセージも来ていたが、徐々に連絡もなくなり、今では誰からも連絡は来なくなっていた。


みんなの事を色々考える事もあるが、ガチ勢の人達と一緒にいれば迷惑をかける事になるから、ボクは身を引く事を決めた。


「3週間もかかると思ってなかったけど、ようやくリュウイチさんが第6章をクリアしたな」


リュウイチさんの段取りなら、もっと早くクリアすると思っていた。上手くいかなかったのはきっと想定外のトラブルでもあったのだろう。


この3週間でガチ勢はトップランカーの人達に追いついて第6章を攻略している。エンジョイ勢は第5章の太陽の塔を攻略中。


エンジョイ勢で行くと決めたボクはこれから太陽の塔に向かい、そこで楽しく遊べる仲間を探す予定。


ボクがいなくなった事で大手生産クランのホワイトスネークはトップの座に返り咲き、装備品に関する素材のマーケットを独占。


特に防具の素材でもある鉱石関係はぼったり価格のため、エンジョイ勢は困っている人も多いとの情報。


うまい具合に生産職のメンバーがいないパーティーを見つけて、仲間になる事が出来れば、エンジョイ勢としてこのゲームを楽しく続ける事が出来る。


ボクはそんな考えで太陽の塔に向かうと、自分の想定以上に太陽の塔の頂上は人で溢れていた。


「ねぇ、どうする?私達の装備だと5回までしか即死攻撃を防げないわよ」


神品質の防具なら即死攻撃を10回防げる。最高品質で8回、高品質で5回と徐々に減っていく。


「この頂上に来るのだって、かなりのお金がかかってるんだから、多少無理してでも攻略しないと、ここで私達破産しちゃうよ」


太陽の塔に来る事が出来る黄金のアルゴー船は生産職が作るモノなので、生産職の人は黄金のアルゴー船の乗船にお金を取っている。


これ自体は別に普通の事なんだが、大手生産クランのホワイトスネークが乗船の値段を吊り上げて、それに呼応するように他のクランも値段を吊り上げて今ではかなりの高額になっている。


ボクが思っていた以上にエンジョイ勢はエンジョイ出来ずにゲームをしているのかもしれないな。


そんな事を考えながら太陽の塔の頂上をウロウロしていると、女の子3人組のパーティーが目に付いた。


なぜ目についたのかって?それはその女の子達がボクの方を見ていたからだ。


「あの、すみません。ソロで攻略の方でしょうか?」


女の子達3人がボクに話しかけてきた。

1人の見た目は肩までサラリと伸びた黒髪の子。装備を見ると属性弓を装備している。

もう1人は茶髪のショートの子。装備を見ると剣を装備している。

もう1人は腰まで伸びた黒髪の子。杖を装備している。

見た目的には全員若さも感じられる。おそらく全員18歳という感じ。


ちなみにだがボクの年齢は22歳。マリナさんは28歳でアイナさんは26歳。メリーさんは30歳でチヅルさんは18歳。


大手クランのリーダーのリュウイチさんやコジロウさん、ナルミさんやレミさんもマリナさんと同じ28歳。


チヅルさん以外はみんな年上だったから、年下の女の子達から話しかけられるのは緊張する。


「ボ、ボクに何かご用でしょうか?」


若くてみんな可愛くて綺麗な人達。そんな人達がモブキャラのボクに話しかけてくるのは、何か違和感を感じる。


「私たち4人目の仲間を探してて、それで声かけさせていただきました」


「な、なんでボクなんでしょうか?」


「ソロで攻略する人ならすぐに太陽の塔の中に入るのに貴方はしなかった。かと言って誰か待ち合わせをしているようにも見えない。だから貴方もここで仲間になってくれる人を探している人なのかなって思って声をかけさせていただきました」


この人達の観察眼はしっかりとしたものだな。装備自体は太陽の塔を攻略するのにワンランクもツーランクも下のモノ。その装備でここまでこれたという事は力量もかなりのモノ。


きっとこの人達は後発組のガチ勢なのだろう。そう、ボクが1番仲間にしたいと思っていた人達だ。


ボクの性格上、ガチのエンジョイ勢の人達とはソリが合わないのはわかっていた。だからといって最前線を走るガチ勢の人達にはついていく事が出来ない。だから後発組のガチ勢がちょうど良いのだ。


「それで今お一人でしょうか?」


「ボクは1人で、ボクもちょうど仲間を探して、ここでウロウロとしていました。ボクはクラブのマークで純正産職のスキル構成でプレイしています。それで良かったら仲間になってもらえないでしょうか?」


「ねえねえ………」

「良さそうだよね…………」

「この人で…………」


女の子達はヒソヒソと話し始める。


「よろしくお願いします。私は烏丸ウサギです。魔法剣士のスキル構成でやっています」


「私は鳩村スズメ。属性弓のスキル構成です。よろしく」


「わ、私は鷲尾ツバメです。し、神聖魔法使いです。よ、よろしくお願いします」


魔法剣士のウサギさんは礼儀正しくメリーさんのような感じ。もしかしたらメリーさんを意識しているのかも。


属性弓のスズメさんはちょっと乱暴で人付き合いは苦手な感じ。


神聖魔法使いのツバメさんはかなりの人見知り。


「ボクは三上ハヤトです。みなさんよろしくお願いします。みなさんのパーティーのリーダーは誰がやられていますか?」


みんな顔を見渡し、浮かない表情。


「今、私達のパーティーにリーダーはいません。生産職をしていたリーダーがいたんだけど、段取りが悪すぎて色々と苦労して私達が追い出してしまったんです」


追い出されたリーダーかぁ………なんだかボクみたいだな。今度は追い出されないようにボクはこの人達のために頑張っていこう。


「そんな事情があったんですね」


「段取りが悪いと思ってリーダーを追い出してしまいましたが、今では私達がそれ以上に段取りが悪い事もわかりました。いきなりで悪いのですが……ハヤトさん。リーダーをやっていただけないでしょうか?」


えっ!ボクがリーダーを………


「わ、わかりました。よろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いします」

「よろしく」

「よ、よろしくお願いします」


こうしてボクは女の子3人とパーティーを組んで、新たに冒険を始める事にした。






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