52話 金眼の現場猫④
昨日はいろいろとあった大変な1日だった。今日は何事もない1日になればいいな。
朝起きていつものルーティン。不死のリンゴと王のリンゴ、金白金鉱石を採取して、金眼の現場猫の育成に入る。
残る育成は成形作業と錬金作業の教育訓練。
成形作業で金の歯車の形を作り、錬金作業で時の水晶のカケラの微粉末を使って、金の歯車を錬金して完成。
あともう一息。でもここから大変になってくるのは間違いない。気を引き締めて教育していこう。
成形作業で注意しないといけない点。1つ目は…………何かあったっけ?
成形作業はいつも何気なくやっていたから注意する点がわからないぞ。
こねる時は丁寧にこねる事とか?あとは………やっぱりよくわからないや。とりあえずこれで作業指示を出してみるか。
『こねる時は丁寧にこねて作業してください』
ってちょっと待ってよ。金眼の現場猫に変な指示を出した場合ってどうなるんだろう。自分でも注意事項をよくわかっていないのに、それで出す作業指示はやらない方がいいんじゃないのか。
というかこういうゲームで何も指示を出さないのが正解パターンっていうのが、そろそろ来てもおかしくないぞ。
1回分無駄にするかもしれないけど、何も作業指示を出さないで作業させてみよう。
『作業指示は特にありません』
「わかったニャー」
マイハウスの中で待機していた金眼の現場猫が動き出す。
「絶対時空領域・展開」
うっすらとした膜のようなモノが場を包み込む。
「インゴットにした金白金鉱石を成形して金の歯車の形にするニャー」
ゴールドプラチナメタルのインゴットを作業台に置いてこね始める金眼の現場猫。
作業は順調に進み段々と形が歯車の形になっていく。
「終わったニャー」
成形作業終了。
「成功だニャー」
うっすらとした膜のようなモノは消え去った。
「1日に覚える事が出来る作業は1つまでニャー」
今日の金眼の現場猫の育成はここまで。
やはり何も指示しないのが正解だったか。となると最後の作業指示はアレになるだろうな。
「よし、今日の育成は終わった。これからアイナさんの武器作りだ」
元々アイナさんに作ろうと思っていた武器は死黒の杖。死の虹と黒曜石とクロロ豚真珠を使った武器。
この武器にある素材をアイテム合成のスキルを使えば、ワンランク上の武器が出来る。
まずはアイテム合成に使う素材の採取からだ。ボクはマイハウスを出て、マイハウスの裏庭に到着。
裏庭で採取出来る素材、無限草。無限に生えてくる草で雑草ともいう。本来ならゲームだから草取りはしなくてもいいのだが、今回はこの素材が必要。
『無限草を採取しました』
「よし、次はこの無限草をアイテム変化だ」
ボクはマイハウスの中に戻り、アイテム変化の錬金作業を開始。
『無限草は無草に変化しました』
「よし、これで準備は整った。まずは黒死の杖作りからだ」
「一点集中スキル・オン」
「成形作業・開始」
まずは作業台の上に死の虹と黒曜石を置き、コネコネして混ぜ合わせる。次は杖の型を置いてこね合わせたモノを型に入れ、先端部にクロロ豚真珠を置いて、完成。
「成形作業・終了」
黒死の杖、100%の神品質。
「この黒死の杖と無草をアイテム合成だ」
「アイテム合成・成形作業・開始」
作業台の上に黒死の杖と無草をおいて、コネコネして混ぜ合わせる。
「アイテム合成・成形作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
黒死無草の杖、100%の神品質。
「よし、完成だ」
これでアイナさんの武器は完成。今日の作業はまだ続く。この後は4枚の夢見の風羽をアイテム変化で夢幻の風羽に変える。
「少し休憩してから次の作業に取り掛かるとするか」
ボクは作業場にある椅子に腰掛けて、考え始める。
現時点で金の歯車を完成させた人がいますというシステムメッセージが流れてこないところを見ると、ホワイトタートルの人達も金眼の現場猫の育成に苦戦している事が伺える。
オープンベータ版の時にモンスター育成をしていなかったボクはホワイトタートルの人達よりもモンスター育成で出遅れているのはわかってはいた。
こんなに順調で本当にいいのだろうか。というかホワイトタートルより先に金の歯車を作ってしまったら、シャドータイガーのカゲトラさんはどうするんだろうか。
いろいろ考えるとキリがない。ボクは自分に出来る最大限の事をやるだけだ。余計な事は考えなくていい。
「よし、アイテム変化の作業を始めるか」
ボクは4枚の夢見の風羽を夢幻の風羽へアイテム変化。アイテム変化は1枚ずつしか出来ないから4時間経過。
この後は特殊アイテム合成になるようなので金眼の現場猫じゃなければ作成出来ないようだ。
青龍を復活させるための3種のアイテム、不死の龍泉桃、水月鏡花、イースターバニーの宝玉も特殊アイテム合成が必要。
とりあえず今のボクが出来る事は終わった。明日の金眼の現場猫の教育訓練が上手くいけば第3章はこれで終わる事が出来るだろう。
次の第4章の準備は出来ているのでサクッと行きたいところだが、果たしてボクは段取り良く進める事が出来るのだろうか。
そんな事を考えながら、ボクは超フカフカのベッドに横になり、眠りについた。




