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【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました  作者: 鳥山正人
2章 愛を取り戻せ

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36話 新メンバー

今日は寝不足もあって気持ちの良い目覚めとはならなかった。それでも世界は動いている。ボクは起きてすぐに大量生産用の畑を確認。


『不死のリンゴを12個、王の青リンゴを12個手に入れました』


待機しているサムライタイガーにこのまま5個ずつ渡して不死のリンゴと王の青リンゴを増やしてもらう。


この2つのアイテムが1級ポーションの材料になる事は酒場のご主人から確認済み。


「ポーションを作りたいところだけど、そんな時間はない」


ボクは支度を整えクランハウスへ。


「おはようございます」


「おはようございます。すでにマリナさんとアイナさんはお待ちになっております」


「えっ、マジで!待ち合わせ時間の1時間前だよ」


急いで応援室の扉を開けると中は険悪な雰囲気。何かあっても困るし、メリーさんにも同席してもらう事にした。


「お、お待たせしました」


「「はい、これ」」


2人同時に夢見の風羽を2枚ずつ出してきた。


「あんた勝負に負けたんだから、私の方が先だからね」


「うるさいなぁ」


昨日の深夜、ボクがイルミナイトのアイテム変化をしていた頃にマリナさんから夢見の風羽の準備が出来たとの連絡は頂いていた。アイナさんから連絡が来たのはボクが爆睡をしていた頃。


アイナさんは寝ずに今日ここにやってきた事もあって余計に飲み屋の姉ちゃんの仕事終わりっていう感じが出てしまっている。


「と、とりあえずこれはお預かりいたします」


「ハヤトくん、コイツは勝負に負けたんだから私の方を先にお願いね」


「…………」


アイナさんは無言で何かを考えている。アイナさんはこのまま終わるとは思えない。きっと何かするはずだ。


「アイナさんはそれでいいですか?」


「勝負に負けたんだから当然でしょ」


突然アイナさんはスマホを取り出し、どこかに連絡。


ピコン


すぐに返事が返ってきた。


「フー」


アイナさんが一息。


「私の第2クランをハヤトくんのクランにするわ。今日から私はクランメンバーになるからメンバーの私を優先してくれるよね?」


「えっ!」


「ちょっと何言ってるのよ。それにアンタは幹部候補生予備員でしょ。予備員のアンタが第2クランに入れるわけないでしょ」


アイナさんは魔法使いクランの大手クラン、赤井コジロウさんがリーダーのレッドタイガーに所属している。大手クランは幹部候補生しか第2クランを設定してはならない大手クラン独自のマイルールがある。


「コジロウさんに連絡したら今日から幹部候補生って言われたわ。だから私は第2クランをハヤトくんのクランにするわ」


うわー、これは絶対何かコジロウさんと取引しちゃったよ。取引材料って何だったんだ?もしかしてボクの……イヤ、これは考えすぎだな。


「あんたまさかこのクランの情報をコジロウに売るつもり?!」


「いくら私でもそこまでしないわ」


「じゃあどうやって……」


「私がコジロウさんに伝えたのは『自分だけのオンリーワンを見つけました。私だけのオンリーワンは回避暗黒タンカー魔法使いです』たったこれだけよ」


そういえばアイナさんはオープンベータ版では暗黒タンカーやってたって言ってたな。


「回避暗黒タンカー魔法使い……じゃあアンタの動きはコジロウをマネしてたのじゃなくてリュウイチのマネなの?」


「元々、私はリュウイチ様に憧れてこのゲームやり始めたからね。その動きを魔法使いでやったら劣化コジロウなんて言われて私も困ってたんだよね」


あっ、アイナさんはリュウイチさんの事はリュウイチ様呼びなんだね。


「じゃああの動きはコジロウとリュウイチのハイブリッドってわけね……そっか……」


「って事であの勝負はなしって事でよろしくね。純魔法使いがタンカーと勝負して勝った負けたって言ってても何もならないでしょ」


「……そうね。っていうか私もここのクランを第2クランにするわ」


「えっ!」


アイナさんに続いてマリナさんも入りたいって、どうなってるの?


「イヤ、アンタはトップクラスのクラン、アマゾネスポワールのリーダーなんだから第2クランなんて選んだらダメでしょ」


「なんでダメって決めつけるのよ。そもそもなんで私がほとんどソロでやっているのか知ってて、そんな事言ってるの?」


「え、目立ちたいからでしょ?違うの?」


「女性で私の動きについてこれる人がいないからよ。いるとすればアナタとメリーさんくらいよ」


「もしかして私の事褒めてるの?」


「アナタが劣化コジロウのままだったら軽蔑してたけど、タンカーだっていうならその実力は認めるわ。私はこう見えても現実主義よ。私とメリーさんがパーティーを組んだとしても足りないモノがあった。それはタンカーがいない事」


たしかに永久凍土ゴーレムとの戦いの事を考えたら、タンカーは必須だったと今なら思える。


「女性しかいないクランっていうのも実は大変でね。男がいるパーティーを組めないっていう欠点もあるのよ。生産職もそうだけど、タンカーも女性が少ないのよ」


タンカーは最前線でみんなの盾になる。いくらリュウイチさんに憧れてても、出来る女性は少ない。


「マリナの言いたい事はわかったけど、このクランのリーダーはハヤトくんなのよ。アマゾネスポワールのメンバーはそれを許さないんじゃないの?」


「文句を言う人がいたら、クロロ豚のウンコに手を突っ込んでみろって言うわ。第1章のファーストクリア者はそれをやったんだから、同じ事やってから文句言えよって感じでね」


みんなの視線が一気にボクの方に集まる。で、みんな一瞬だけど引いたのがわかる。あー、そういえばコイツあのウンコに手を突っ込んだんだなって思ったんだ。


「それなら誰も文句を言う人はいないわね」


「って事でよろしくね、ハヤトくん」


これから訪れるのは美人3人に囲まれた生活。今までボッチだった事を考えると信じられない事だ。


「よ、よろしくお願いします」


「話はまとまったみたいですね。ハヤトさん、ちょうど2人分のお部屋は空いていますので、そこは個人部屋にする感じでよろしいでしょうか?」


こういう時に冷静でいられるメリーさんってやっぱりすごいわ。


「はい、大丈夫です。よろしくお願いします」


「新メンバーも入って、これからクランの活動も本格化していきます。クランの名前もブルーオウルにしてみてはいかがでしょうか?」


第1章のファーストクリア者にだけ与えられた特典の事はすっかり忘れた。


「じゃあクラン名の変更もお願いします」


「かしこまりました。アイナさんは私の事を詳しく知らないと思います。私はブラックドラゴンの幹部候補生の吉田メリーと申します。スキル構成は定番の魔法剣士です」


「じゃあ私も。山下アイナです。レッドタイガーの幹部候補生やってます。これからスキル変更して、魔法、暗黒、集中、瞑想、魔装の暗黒系の純魔法使いタンカーをやります」


「えっ、アンタ盾持たないつもり?」


「攻撃主体の回避型タンカーやるから盾いらないかなって思ってる」


「って事は防御捨ててスピードアップに特化にするって事よね」


「うん、そうだよ」


暗黒魔法のバフ魔法は割合をプラスにもマイナスにも割り振る事が出来る仕様。攻撃200%防御-100%っていう感じ。


アイナさんは暗黒魔法のバフを速さ200%防御-100%にして回避特化にするという事。これだと攻撃主体で出来るから盾のスキル持ちの人と同等のヘイト管理も出来る。


盾スキルを入れないで瞑想を入れているところもポイントの1つだ。


集中スキルは与えるダメージも受けるダメージも2倍になるという仕様。


それを補助するのが瞑想スキル。瞑想スキルは最大HPと最大MPを倍にする効果があるスキル。魔法使いにとっては便利なスキルだけど、状況次第ではなくても困らないスキルでもある。


その状況はポーションガブ飲みが出来る人。レッドタイガーのコジロウさんはポーションガブ飲みスタイルでやってる人で、瞑想を外して二刀流スキルを入れて神聖系の魔法使いとしてやってる。


コジロウさんの戦い方は敵の攻撃を至近距離で躱して、二刀流魔法でクールタイムなしでバンバン攻撃する超超攻撃的スタイル。


このスタイルに憧れる人はいるけど、同じ事を出来る人はいない。だから同じような動きをするアイナさんは劣化コジロウと言われたりもした。


「って事でよろしくね」


「じゃあ一応私もちゃんと自己紹介しておくわ。私はアマゾネスポワールのリーダーをやっている亀梨マリナです。神聖系の純魔法使いです」


よし、じゃあ次はボクの番だな。


「ボクは……」

「あっ、ハヤトくん、早くストーリー進めたいからアイテム変化お願いね」


「は、はい。今すぐに取り掛かります」


クランハウスでも作業出来るけど、この場にいたらなんかマズイかなって思ったからボクはマイハウスで作業する事にした。







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