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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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99 今日もですか

 「よーしっ! きりのいいところでお昼休憩にしましょう~っ!」

 坊っちゃんの声掛けに、訓練生たちは一息つく。


 「坊っちゃんっ!」

 それを待っていたエウフロシネはお弁当を抱きかかえ、駆けて行く。


 「エウフロシネちゃん」

 坊っちゃんも笑顔になる。


 「ねぇ、坊っちゃん。あたし、お弁当作って来たんだ。一緒に食べよう」

 エウフロシネの呼びかけに、坊っちゃんは応える。


 「うん。有難う。でも、その前に剣術訓練の人たちを見てきていいかな?」


 「うん。あたしも一緒に行っていい?」


 「いいよ。『星間警察』のアナベルさんもいるから、会ってみる?」


 「アナベルさんも来てるんだ。うん。会ってみたい」


 二人は連れだって歩き出した。



 ◇◇◇



 剣術訓練は射撃訓練とはだいぶ違っていた。


 射撃訓練のように大型ディスプレイ上の敵を攻撃するといったこともなく、模擬刀を使った斬り合いの訓練をしているのみである。


 アナベルは訓練生の一人のようで、やはり全体で十名いる訓練生たちと一緒に模擬剣闘をしている。


 教官である旦那(だん)さんの姿は見えない。


 「みなさ~んっ! きりのいいところでお昼休憩にしませんか?」

 坊っちゃんの声に訓練生たちは模擬剣闘を休止する。


 坊っちゃんと一緒にいるエウフロシネを見つけたアナベルは笑顔で駆け寄って来た。


 「エウフロシネちゃーんっ、お久しぶりですね~。坊っちゃんに会いに来たんですか?」


 「はっ、はい」

 エウフロシネは、はにかみながら答える。


 「ところで、アナベルさん、旦那(だん)さんは今日もですか?」

 坊っちゃんの質問に、アナベルは教室の壁を指差す。


 「はい。あれ見て下さい」


 教室の壁には、A1くらいの紙に大きく乱暴な字でこう書かれていた。



 自習

 


 「うーん」

 坊っちゃんの顔が曇る。



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