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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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96 武勇伝はこの際いいの

 「どっ、どっ、どっ、どうしよう。エウフェミア。俺、エウフロシネに嫌われた~?」


 「お父さん。落ち着いて。何があったか初めから話して」


 「うっ、うん。実は……」


 事の次第を聞いたエウフェミアは脱力感を禁じえなかった。

 (百人だかの荒くれ海の男を束ねるお父さんが、エウフロシネちゃんのことになると、どうしてこうなんだろ?)



 ◇◇◇



 エウフェミアは大きく深呼吸した後、切り出した。

 「いい? お父さん。これから、あたしの言うことをよく聞いて。そうしないと、エウフロシネちゃんとのこと、あたしも保証できないよ」


 「はっ、はひ」


 「まずは、エウフロシネちゃんが『人材育成機関』の島に行くのをこれ以上、止めないこと」


 「ええーっ?」


 「いい。今のエウフロシネちゃんは恋する乙女です。それを無理矢理止めたら、それこそ一生口きいて貰えなくなるかもよ」


 「そんな、エウフロシネ(あいつ)はまだ十歳で。俺が十歳の時なんか、恋愛のれの字もなかったんだぞっ! それこそ、危険だから行くなと言われた海域行って、黄金魚獲ったのはいいんだが、帰りに舟沈んじまって、死んだ親父に死ぬほど殴られて……」


 「お父さんの武勇伝はこの際いいの。男の子と女の子は違うんだし、これ約束して貰わないと、あたしもエウフロシネちゃんとの仲は取り持てません」


 「はっ、はひっ。わかじました」


 「よろしい。但し、行かせるのはいいけど、いついつまでに帰ることって約束させて、送り出して。その約束破ったら、もう行かせないってことにして」


 「はっ、はひっ」


 「それを守ってくれるなら、あたしからエウフロシネちゃんに、『お父さん、大嫌い』とか言わないように言ってあげましょう」


 「あ、有難うございます。エウフェミア様」



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