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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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93/230

93 やってみなきゃわからない あの二人はいつもそう

 「星間警察」と「偵察局」の「洗脳機関」対策合同会議はつつがなく開催された。


 「星間警察」は傘下の各「惑星警察」に通達を出し、「洗脳機関」の仕業かと疑われる事案はすべて報告するよう指示した。


 それは良いとして、やはり緊急かつ最大の課題は、「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」と対等以上に戦える人材が事実上旦那(だん)さん以外にいないという重い現実であった。


 現実は現実として受け入れ、対策を立てなければいけない。


 立てた対策は、早急に「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」と対等以上に戦える人材を大量に育成する。


 そのためには「育成機関」を首都星系のどこかに設置…… である。



 ◇◇◇



 設置場所はあっさり決まった。


 「アクア3(スリー)」である。


 厳密に言うと「首都星系」ではないが、近隣である。


 市街地が密集している「首都星系」では不測の事態に備えなければならないが、「アクア3(スリー)」の孤島ではその懸念は少ない。


 発展途上星の地域振興の一環にもなる。


 有力な島長(しまおさ)のティモンは「星間警察」と「偵察局」に恩義を感じており、好意的である。


 等々の理由でとんとん拍子に話は決まった。



 ◇◇◇



 後は教官である。


 首脳部は頭を抱えた。


 能力的に最も高いのは旦那(だん)さんなのは間違いない。


 しかし、これほど「教官」に向かない人間も珍しい。


 最終的な結論は、坊っちゃんを補佐につけ何とかして貰う……だった。



 ◇◇◇



 「やはり、そうなるか……」

 偵察局長は溜息をついた。


 「いつものパターンですね」

 部下は苦笑する。


 「今回は、『旦那さん()』の好きな『強い奴との戦闘』じゃないからなぁ。どうなることか」

 偵察局長の嘆きに、部下が(なだ)める。


 「『やってみなけりゃわからない』。あの二人はいつもそうじゃないですか」 

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