227 後日譚 ラティーファ
振り返ったアナベルとオキニィの前には、笑顔のラティーファが立っていた。
「ラティーファさんっ!」
「アナベルさん、オキニィさん。お久しぶり~」
「あのラティーファさん。この娘たちは?」
「あはは、あたしによく似てるでしょ。三つ子なんだわ」
「三つ子? 双子は時々聞くけど、三つ子は珍しいですね」
「まあ、旦那さんと結婚したら、子どもまで個性的になっちゃってね。はーい、みんな整列ーっ」
ラティーファの号令で、追いかけっこしていた三つ子はラティーファの前に横に並んだ。
「左から長女のタオリ。あたしに似て、真面目で気が強いって」
「真ん中が次女のタギツ。旦那さんに似て、すぐレーザーセイバー持ち出して、戦闘したがるの」
「右が三女のイチキ。この娘はおじいちゃんに似て、機械オタク」
「見事に個性が割れましたね。それに3人ともそっくりで良く見わけがつきますね。後、名前の由来は?」
「ははは、アナベルさん。矢継ぎ早に質問をー。個性の件はこっちが誘導した訳でもないのに、勝手にこうなったのね。見分けはやっぱり良く見ると微妙に違うの。旦那さんはよく間違えるけどね。名前はね……」
ラティーファは海を指差した。
「『アクア3』は海の惑星だから、地球の古典から海上交通の三姉妹の女神からとったの。ムナカタ三女神っていうんだけど」
「いい名前ですよね」
◇◇◇
「旦那さんはもう体の方は全然大丈夫なんですか?」
アナベルの質問に、ラティーファは笑顔で答える。
「昔みたいに戦場でレーザーセイバー振り回すことはもう出来ないけどね。今は『肉食魚』相手にレーザーセイバー振り回しているよ」
「惑星『バストーニュ』戦の後は大変でしたものね。もう、助からないって言われて」
「あの時は本当にアナベルさんにもオキニィさんにも心配かけて……」




