表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/230

216 人間としては殺さねぇが 工作員としては殺す

 白い光が僅かに晴れだす時、ラティーファとルカイヤは早々に行動を開始し、それぞれ記憶喪失に陥っている旦那(だん)さんとパウリーネを回収した。


 そして、素早く用意された車に搭乗すると、完全に白い光が消え去る前に去っていった。


 戦場で多くの者が視覚を取り戻した時、4人の姿はもうなかった。


 シラネは叫んだ。

 「ようっしっ! もう障害は何もねぇ! みんな、思う存分にやれっ! 但し、絶対に死ぬなっ! 後は出来るだけ相手を殺すなっ! 捕虜にしろっ! 投降を促せっ!」



 ◇◇◇

 


 周囲から大歓声が上がり、「銀河帝国偵察局」の兵は「洗脳機関」の拠点である建物に突撃した。


 シラネはゆっくりとうずくまっているイワノフに近づいた。


 「殺せっ!」

 叫ぶイワノフにシラネは淡々と返す。


 「殺さねぇよ」


 「これ以上の生き恥には耐えられん。殺せっ!」


 「殺さねぇよ。これくらいの生き恥で耐えられないなんて言わないことだな。これから、もっとたくさんの生き恥が待っているのだから……」


 「ぐっ」


 「心配するな。『人間』としては殺さねぇが、『工作員』としては殺す。二度と『工作員』として働けないよう、知ってる情報は残らず吐いてもらうからな」



 ◇◇◇



 「洗脳機関」の最後の拠点は、その後僅か2時間で陥落した。


 死傷者は「銀河帝国偵察局」側がゼロ。「洗脳機関」側が10名。


 「洗脳機関」側の投降者、捕虜は軍団長・指揮官(コマンダー)・兵員の3種類に分類されて管理され、軍団長は厳重に警備されて首都星系に護送された。


 指揮官(コマンダー)と兵員は後から派遣されてきた「銀河帝国偵察局」の専門官に訊問された。


 事前の予想通り、殆ど情報を教えられていなかったが……


 訊問を受け終わった指揮官(コマンダー)と兵員は本人の希望に基づき「銀河連邦」に送還せんとしたが、「銀河連邦」側からの回答は以下のとおりだった。


 「『銀河連邦(わが国)』には『洗脳機関』なる組織は、過去現在未来とも存在しない。『銀河連邦(わが国)』の『洗脳機関』に所属していたと主張する者は『銀河連邦(わが国)』とは無関係のテロリストである。『銀河帝国(貴国)』の判断で自由に処理されたい。なお、『銀河連邦(わが国)』はそのような者を一切受け入れない」


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ