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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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215/230

215 洗脳した連中はざまあだな

 「旦那(だん)さんっ! 頑張れっ!」

 また、誰かが言った。


旦那(だん)さんっ! 頑張れっ!」

 また、誰かが唱和した。


旦那(だん)さんっ! 頑張れっ!」

 また、唱和の輪が広がった。


 「旦那(だん)さんっ! 頑張れっ!」

 「旦那(だん)さんっ! 頑張れっ!」

 また、いつしか大合唱になった。


 だが、ルカイヤは思わず言った。

 「パウリーネ様っ! 頑張れっ!」


 言ってから、あわてて自らの両手で口を塞いだ。


 シラネは笑顔でルカイヤの肩を叩いた。

 「ルカイヤちゃん、いいんだ。それで。もうすっかり二人とも戦闘(ケンカ)バカに戻ってるじゃねぇか。パウリーネを洗脳した連中はざまあだな。戦闘(ケンカ)好きの根性が洗脳を撥ね返しちまうんだがら」


 ルカイヤもルカイヤにしては珍しい微笑を見せた。

 「はい。みなさんのおかげです」


 だが、シラネはその後の思いは口にしなかった。

 (後は…… 旦那さん(兄貴)とパウリーネの心身がもつかどうか…… いや、もってくれっ!頼むっ!)



 ◇◇◇



 「来ますっ!」

 ルカイヤがパウリーネを指差した。


 見れば、パウリーネのレーザーセイバーは煌々と輝いている。


 「旦那(だん)さんもチャージオンしそうだよっ!」

 坊っちゃんも叫ぶ。


 旦那(だん)さんのそれの輝きもパウリーネのそれに負けていない。


 「よしっ!」

 シラネは周囲に声をかけた。


 「二人がチャージオンしたら、ラティーファちゃんは旦那さん(兄貴)を、ルカイヤちゃんはパウリーネを迅速に回収してくれっ! それと宙港から車を回しとけっ! 回収したら、すぐ車で宙港に行き、最寄りの救急病院のある惑星(ほし)に搬送するんだっ! スピードが生死を分けるぞっ!」


 「はいっ!」

 ラティーファとルカイヤは大きな声で返事した。


 「後のことは任せろっ! とにかくラティーファちゃんとルカイヤちゃんは、旦那さん(兄貴)とパウリーネの救急搬送を最優先しろっ!」


 「はいっ!」

 ラティーファとルカイヤは更に大きな声で返事した。



 ◇◇◇



 旦那(だん)さんとパウリーネは互いに距離を取り、レーザーセイバーを大きく振り上げると、お互いに向けて突進した。


 そして、完全にシンクロナイズした形で咆哮した。

 「チャアァァァジイィィィィオオォォォンッ!」


 その惑星(ほし)全体を巨大な白い光が包んだ。


 それは今までのどのチャージオンより長い時間晴れなかった。


 殆どの者は目が眩み、開けてはいられなかった。


 それでも2人の人間だけはカッと目を見開いていた。


 ラティーファとルカイヤだった。




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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど、なんでも副作用はありますよね ( ˘ω˘)
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