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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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205/230

205 人材という概念がねぇのか

 そこに現れたのは『洗脳機関第二軍団長』のイワノフである。


 先の「偵察局」との交戦で坊っちゃんにレーザーブラスターで射抜かれた左足は義足だ。


 シラネはイワノフを睨みつける。

 「貴様ぁ、まさかっ!」


 「くくく。ご明察。パウリーネは洗脳されている」


 次の瞬間、ルカイヤは般若の形相で、押さえつけるラティーファとアナベルを全力で振りほどくと、目にも止まらぬ早さで、イワノフに向かいレーザーブラスターの渾身の一撃を放った。


 だが、その一撃はパウリーネが軽くレーザーセイバーを一振りすると簡単に撥ね返された。


 それを目の当たりにしたルカイヤはその場に崩れ落ちた。

 「パッ、パウリーネ様っ! パウリーネ様っ! どっ、どうして?」


 イワノフの高笑いが轟き渡る。

 「はぁっはっは。見たか? ルカイヤッ、裏切り者の末路はこういったものなんだっ!」



 ◇◇◇



 立ち上がれないでいるルカイヤに代わり、シラネが怒りを露にする。

 「貴様っ、何を考えているっ! 仮にも一軍の将だった人間だぞっ! おまけに銀河最強のレーザーセイバー使いだっ! 人材という概念がねぇのかっ!」


 「くっくっく。シラネ・スカイ。俺からすれば、貴様の考えが理解できんよ。いいか? パウリーネは洗脳されることで、貴様のところの旦那さん(ホタカ・スカイ)を遥かに凌駕する真の銀河最強のレーザーセイバー使いになったんだ」


 「まさか……」


 「そうだ。洗脳と同時に脳のリミッターを外したんだよ。今のパウリーネは身体能力をフル稼働している」


 「バカな。何のために人間の脳に身体能力のリミッターがあると思ってるんだ? そんなことしたら、心身のエネルギーを使い果たし、死んでしまうぞっ!」


 「いいんだよ。死んで」


 「なん……だと……」


 「今夜、パウリーネは貴様ら『銀河帝国偵察局』の者を全員殺す。そして、自分も力を使い果たして、死ぬ。そのことでパウリーネは『銀河連邦英雄』として、歴史に刻まれ、伝説となる。永遠に語り継がれるのだ」


 「本気で言ってるのか?」


 「本気だ。俺が公文書に記録を残す。本人も喜ぶだろう」


 「貴様とは永遠に相容れぬな」


 「何とでも言え。貴様らは全員今夜のうちにパウリーネに殺されるのだからな。今のパウリーネには貴様らが束になってかかっても勝てまいよ」


 「ぐっ」




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― 新着の感想 ―
[一言] Σ( ̄□ ̄|||) やはりそういう手段を、さすがは悪役ですね。 これって勝てるのかな? ( ˘ω˘)
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