200 ルカイヤさん 怖いよ
既に、ルカイヤと坊っちゃんのレーザーブラスターチームは敵への応射を始めている。
銃器そのものの性能より、使い手の能力が効果を大きく左右する超心理学技術兵器であるレーザーブラスター。
それが故、ルカイヤと坊っちゃんのレーザーブラスターチームはアウトレンジ攻撃が可能だった。
「坊っちゃん。どう思います? 敵の射撃?」
ルカイヤの問いに、坊っちゃんは冷静に答える。
「力が入り過ぎているって感じですね。何か焦っているというか」
「やはり、そう思いましたか……」
最近まで「洗脳機関」に所属していたルカイヤには分かった。
(敵はまた相当無理な命令を出されてますね。上の方の人間に)
◇◇◇
敵からのレーザーブラスターの射撃は急速にその勢いを弱めていった。
「よしっ、あたしらの出番だな」
シラネにアナベル、旦那さんにラティーファのレーザーセイバーチームは宙港内に突入していく。
「坊っちゃん。私たちも突入しましょう。うまくすれば、ここの攻防戦。早めに収束出来るかもしれません」
「そうですか。じゃあ、僕たちも行きましょう」
ルカイヤと坊っちゃんのペアも突入していく。
◇◇◇
レーザーセイバーチームの活躍は凄まじく宙港はみるみるうちに制圧されていく。
「ふうっ」
ルカイヤは小さく溜息を吐いた。
「さすがと言うかなんと言うか。これじゃ私の出番もなく、終わっちゃうかもしれませんね」
ズドッ
次の瞬間、ルカイヤの足元にレーザーブラスターの狙撃が刺さった。
「ははあ」
ルカイヤは満面の笑みを見せ、反射的に狙撃者に撃ち返した。
「うぐっ」
狙撃者は苦痛の声を上げる。
「ふふっ、こんなところにいらしたんですか? 安心して下さい。殺しはしませんよ。殺しは」
笑みを浮かべながら続けるルカイヤを見て、坊っちゃんは思った。
(怖いよ。ルカイヤさん)




