197 あのお二人 シンクロしてますよ
ルカイヤと坊っちゃんは一人の「狂信的暗殺者」の頭部を集中的に
射撃する。
ガッという破壊音と共に「狂信的暗殺者」の仮面は真っ二つに割れ、真後ろに倒れ、そのまま起き上がってこない。
「よしっ、行けるっ!」
「この調子で行きましょう。坊っちゃん」
ルカイヤと坊っちゃんのペアは次々に「狂信的暗殺者」を倒していく。
◇◇◇
「うん。行ける。旦那さんっ! あたしらもまた前線に出るぞっ!」
「待って下さい。シラネさん」
ラティーファがシラネを制する。
「ここはあたしに行かせて下さい。旦那さん、いいよね?」
「あ、ああ」
旦那さんはうつむくと頬を軽く赤く染め、頷いた。
「おっ、おいっ! ラティーファちゃん。無茶すんなっ!」
ラティーファはシラネの制止を聞かず、旦那さんの左腕を右手で掴むと駆け出す。
「うーん。今のあの二人じゃ能力に差がありすぎて、バランスが良くないんだが、まあいい、旦那さんの強さからすれば、ラティーファちゃんの命が危なくなることもないだろう」
シラネは大きく息を吐いた。
◇◇◇
「行くよっ! 旦那さんっ!」
ラティーファはかけ声と共に、レーザーセイバーを大きく横に薙ぐ。
「ああ」
旦那さんも合わせるように、レーザーセイバーを横に薙ぐ。
既に鎧に損傷を受けている横一列の「狂信的暗殺者」は、ばたばた倒されていく。
「ん?」
シラネは目を凝らし、もう一度、ラティーファと旦那さんを確認する。
「こっ、こいつぁ」
「シラネさん。あのお二人、シンクロしてますよ」
アナベルが目を輝かせて言う。




