193 うーん 面倒くさい
「さすがはルカイヤちゃんだわ。今はその方法がベストだな。おいっ、旦那さんっ!」
「ん?」
「あたしと二人で同時に同じところの『狂信的暗殺者』を斬るぞ」
「おっおう」
「狂信的暗殺者」が大嫌いな旦那さんだが、ここは戦わない訳にはいかない。
シラネと同時に前線に飛び出す。
旦那さんとシラネは同時にレーザーセイバーを横に薙いでいく。
横一列の「狂信的暗殺者」が衝撃を受け、将棋倒しに倒れて行く。
しかし、衝撃を受けただけで、鎧は完全に破壊されていないので、しばらく経つと、また、立ち上がってくる。
そこをまた、旦那さんとシラネが同時にレーザーセイバーを横に薙ぐ。
音を立てて、横一列の「狂信的暗殺者」が倒れて行く。
やはり、鎧の破壊に至らず、「狂信的暗殺者」は立ち上がって来る。
根気よく三度目のレーザーセイバーの同時攻撃を行う。
ようやく、鎧に亀裂が入っているのが確認できる。
「旦那さん。手間だがこの手しかなさそうだ」
「うーん。面倒くさい」
◇◇◇
「きれい……」
そんな言葉が意図せず出た。
ルカイヤと坊っちゃん、旦那さんとシラネの見事にシンクロした動きにアナベルは見とれてしまっていた。
銀河の中でも、最も高いレベルに到達した者だから出来るシンクロ攻撃。
(やっぱり、私なんかまだまだだなあ。だけど……)
この最高レベルのペア2つにして、3~4回衝撃を与えないと、「狂信的暗殺者」の鎧は破壊できない。
更に、敵は保有する「狂信的暗殺者」を全部出して来たのではないかと圧倒的な数。恐らく何百レベルだろう。
さすがにペア2つは疲労の色は見せていないが、この数全てを片付けられるかと言えば、疑問符を付けざるを得ない。




