192 どうしてこうやって趣味の悪い方に走るかね
「どうしてこうやって趣味の悪い方へ、悪い方へ走るかね」
旦那さんがぼやく。
「狂信的暗殺者」対策に頭部の狙撃を行えば、頭部にSMM(super material mask)のヘルメットをつけさせ、ブロックを図る。
それではと、脚部を狙うようにしたら、全身をSM(super material)で覆う鎧を装着させてきた。
「どうしても『狂信的暗殺者』止めるという発想自体にはならないらしいね」
シラネは大きく溜息を吐いた。
◇◇◇
「むんっ!」
ルカイヤはレーザーブラスターで「狂信的暗殺者」の脚部を狙撃した。
狙撃された「狂信的暗殺者」は衝撃で少しよろけたが、すぐに立ち直った。
レーザー自体は鎧に多少の損傷を与えることが出来るようだが、その多くは弾き返されてしまうようだ。
「ふむ」
ルカイヤは少しだけ考えると、坊っちゃんに声をかけた。
「坊っちゃん。私と同じところを狙撃して貰えませんか」
坊っちゃんも歴戦の勇士である。
ルカイヤの言わんとしたことは即座に理解した。
「分かりました。ルカイヤさん」
ルカイヤと坊っちゃんは同時に一人の「狂信的暗殺者」の脚部の同じポイントを狙撃した。
強い衝撃で、狙撃された「狂信的暗殺者」は真後ろに倒れ、多くの「狂信的暗殺者」が将棋倒しになった。
しかし、死に至らしめるまでには行かず、時間はかかるが、立ち上がって来る。
「それでも、何度か同じポイントを同時狙撃すれば、鎧を砕けそうです。坊っちゃん、御協力いただけますか?」
「こちらこそお願いします。ルカイヤさん」




