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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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191/230

191 我が兄貴ながら化け物

 「我が兄貴ながら、あのぶっ飛びようには感心するわ。人間としての性能の殆どが『戦闘』に割かれちゃってるんだよな」


 「本当にパウリーネ様の男性版って気がします」


 「ははは、パウリーネと会って話すのが楽しみになってきたよ」


 「ええ。お会い出来ますよ。もうすぐ…… 必ず……」



 ◇◇◇



 どこからともなく飛来した弾丸が旦那(だん)さんを襲う。


 しかし、まるで体中に目があるかのように、微塵も動揺を見せることなく淡々と回避した。


 すると、敵も意地になったか、道の真ん中を堂々と歩く旦那(だん)さんを集中的に狙撃する。


 だが、やはり見たところ、弾丸の方が旦那(だん)さんを忌み嫌うかのように当たらない。


 「本当、我が兄貴ながら『化け物』だわ。あたしもルカイヤちゃんも弾幕の回避は出来るけど、ああまで敵を挑発しながらはやらんだろう」

 呆れるシラネに、ルカイヤも同調する。


 「そうですね。私は今、何を見ているのでしょう」


 (いえいえ。シラネさんとルカイヤさんも十分凄いですよ……)

 アナベルは思ったが、口に出せなかった。


 (『弾幕の回避は出来る』って、職業軍人でも普通に口にしませんって)



 ◇◇◇



 傍若無人に歩いていた旦那(だん)さんだが、宙港のすぐそばに来ると立ち止まり、レーザーセイバーを握り直した。


 「来たね」

 坊っちゃんも緊張した面持ちになる。


 シラネとルカイヤも会話を止めた。


 来ているのだ。


 大嫌いな「あれ」が……



 ◇◇◇



 それは、ガチャリガチャリと音を立てていた。


 今まではその不快な音はなかった。


 なぜ、その不快なものは、不快な音まで立てるようになったのか?


 その理由はすぐ分かった。


 全身をSM(super material)の鎧で覆った『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』の大群が視界に入って来たから……




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