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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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181/230

181 それが貴方がたのレベルですか

指揮官(コマンダー)」が先導し建物に入ると、レーザーブラスター使いたちも敗戦を悟り、武器を捨てて投降する。


 「洗脳中の方たちはどこにいるのですか?」

 アナベルの問いに、「指揮官(コマンダー)」は奥の部屋であると答える。


 逆に洗脳中の者を「処分」するのか? という「指揮官(コマンダー)」の問いに、アナベルは笑みを浮かべて答える。

 「『処分』? 何を言っているんです」


 アナベルは姿勢を正すと指示を出す。

 「レーザーブラスターチームは『麻痺銃(パラライザー)』の準備を。『指揮官(貴方)』はゆっくりと扉を開いて下さい。今更ですけど、妙なことはしませんよね?」


 「指揮官(コマンダー)」は淡々とした、それでいて迫力のあるアナベルの言に、極度に緊張しながらもゆっくりと扉を開ける。


 その先には……


 未だ『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』になりきれていない者たちが呻き声をあげている。


 「偵察局員」は手早く『洗脳マシン』を切断し、暴れるなりきれていない者たちに『麻痺銃(パラライザー)』を撃ち込み、鎮静化させて捕縛していく。


 アナベルは呆然としている「地元警察職員」に指示を下す。

 「お手数ですが、捕縛した者たちを警察署まで護送して下さい。最終的に『偵察局』で引き取ります」


 「地元警察職員」は我に返ると、アナベルの指示に従って作業を始める。


 「指揮官(コマンダー)」は苦虫を嚙み潰したような表情でしばらく作業を見守っていたが、やがて、意を決したように重い口を開いた。


 「『なりきれていない者』たちを捕まえてどうしようというんです。あれはもう人ではない。人体実験にでも使うんですか?」


 その問いに、アナベルは静かな怒りを込めて、答える。

 「それが『洗脳機関(貴方がた)』のレベルですかっ?」


 「!」

 「指揮官(コマンダー)」は珍しいアナベルの怒りに黙り込む。


 「まあ、見ていてください。『偵察局』の最新式の『洗脳からの回復システム』を。『洗脳機関(貴方がた)』のやっていることが如何に無意味か教えて差し上げましょう」


 (背筋が凍るとはきっとこういうことを言うのだ)

 「指揮官(コマンダー)」はアナベルの発言を聞いて、そう思った。




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