180 やはりトラップが
(行きますっ!)
レーザーセイバーを大上段に構えたまま、「指揮官」に向かって突進した。
「うぐっ!」
「指揮官」はアナベルの初撃こそギリギリで受け止めたが、続く二撃三撃にはとても耐え切れず、己のレーザーセイバーを手放し、大きく後ずさって、ついには尻もちをついた。
「あのレーザーセイバーを回収して下さい」
アナベルは後方のレーザーブラスター使いに指示を出し、意を受けたレーザーブラスター使いはそれを素早く回収する。
アナベルはレーザーセイバーを構えたまま、ゆっくりと尻もちをついた「指揮官」に近づく。
追い詰められた「指揮官」は顔面蒼白で冷や汗をかいている。
そして、ようやく一言を発した。
「殺せ」と。
アナベルはレーザーセイバーを構えたまま、淡々と言う。
「殺しません。『銀河帝国偵察局』に投降しなさい」
◇◇◇
アナベル同様、他の「偵察局」レーザーセイバー使いも圧勝で、「指揮官」は5人全員が捕縛された。
「5人のうち1人は案内要員として残します。4人は後で訊問しますので、自死や脱走などされないよう、監視をお願いします」
アナベルの指示に「地元警察職員」たちは緊張した面持ちで頷いた。
(これだけ優勢なら仮に『地元警察』の中に『洗脳機関』への内通者がいても行動を起こせないな)
オキニィは内心そんなことを思った。
「では、建物に入りましょう。トラップがあるかもしれないので、オキニィさん、扉を爆破しちゃってもらえますか?」
アナベルの要請に、オキニィは頷くと、右腕のレーザーガンを水平に構える。
ズドドドドドーッ
轟音と共に扉が大爆発を起こし、一階の壁ごと崩壊する。
「やはりトラップが仕掛けてありましたか。案内をお願いしますよ」
アナベルが促すと、「指揮官」は観念したかのように案内を始める。




