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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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179/230

179 同じ人数ですか 腕が鳴ります

 それを受けてか、建物の正面口から「洗脳機関」のレーザーセイバー使いたちが飛び出してくる。


 「オキニィさんたち。さすがでしたね。さて、今度は私たちの番ですよ」

 アナベルは周りの「偵察局」のレーザーセイバー使いたちに声をかける。


 「はい」

 レーザーセイバー使いたちは返事をするとともに、ゆっくりと「洗脳機関()」のレーザーセイバー使いたちに向かって前進していく。



 ◇◇◇



 「洗脳機関」のレーザーセイバー使い、通称「指揮官(コマンダー)」は5人出て来た。


 恐らく全体の人数から考えても、かなりこの惑星(ほし)に重点を置いた配置だろう。


 奇しくも「偵察局」サイドもアナベルを入れて5人。


 「同じ人数ですか…… 腕が鳴りますね」

 アナベルは大きくレーザーセイバーを振りかぶると突進した。


 それを合図に他の4人も「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」に向けて、突進する。


 バチッ


 アナベルのレーザーセイバーと「指揮官(コマンダー)」のレーザーセイバーが激突し、音を発する。


 アナベルとレーザーセイバーを合わせた「指揮官(コマンダー)」は一歩二歩と後ずさる。


 (あれ?)

 その行動を不審に思ったアナベルはレーザーセイバーを外し、いったん距離を取る。


 そして、再度、レーザーセイバーを振り上げ、突進する。


 「指揮官(コマンダー)」はそれを辛うじて受け止め、またも二、三歩後ずさる。


 (油断を誘うための演技?)

 今までアナベルがレーザーセイバーを使って戦闘をした時、演習、実戦を問わず、相手が後ずさりしたことなどなかった。


 アナベルの不審に思う気持ちは消えず、再度、距離を取る。


 相手の「指揮官(コマンダー)」は肩で息をしている。


 ちらりと横目で周囲の戦況を眺める。


 レーザーセイバーが煌煌と光っているのは全て「偵察局」サイドの方だ。「洗脳機関」サイドのその光は鈍い。


 (これはひょっとすると……)

 アナベルには思うことがあった。ギャンブルだが勝算は十二分にある。


 レーザーセイバーの柄をより力を入れて握り、大上段に構えた。


 

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