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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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177/230

177 それをするのが洗脳機関

 暗闇に浮かぶ幾つもの赤く光る眼。


 (もうこんな数の『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』を作ったんですか?相当、プログラムで無理してますね。反動で精神(メンタル)を壊された人も相当いる筈です。全く、人間を何だと思ってるんでしょう。『洗脳機関(あの人たち)』は)


「まだ『暗視装置(ナイトヴィジョン)』は装着しないで、二つある赤く光る眼の真ん中を狙って見て下さい。『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』の頭部になるはずです」


 アナベルの指示にレーザーブラスター使いたちは一斉に発射する。


 だが、レーザー光はことごとく撥ね返される。


 (やはり、『SMM(specai material mask)』を装着していますね。ならば……)


 「奇数番号は『暗視装置(ナイトヴィジョン)』を装着し、『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』の脚部を狙って、侵攻を止めて下さい。偶数番号は敵が強い光を発するのに備え、『暗視装置(ナイトヴィジョン)』を装着しないで、奇数番号の射撃したところと同じ場所を狙って下さい」


 鍛え抜かれたレーザーブラスター使いたちはたちどころに命中させ、『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』たちは前のめりに倒れる。


 しかし、四つん這いになっても、侵攻を止めない。


 (心が痛むものがあります。だけど…… やむを得ません)


 「今度は腕部を狙って下さい。動きを完全に止めます」


 レーザーブラスター使いたちは冷静に射撃を続け、ついには、『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)』たちは胴のみでわずかに前進しようとする惨状となった。


 それはあたかも手足をもがれた昆虫が最後のあがきをしているのに似ていた。


 さすがに「偵察局員」は冷静だったが、「地元警察職員」の何人かは嘔吐した。


 「むごい」

 「地元警察職員」の一人が叫んだ。


 「『偵察局(貴方たち)』は火砲を持っているんでしょう。一気にとどめを刺してやったらどうなんです?」


 アナベルは静かに頭を下げた。

 「オキニィさん。火砲をお願いします。また、こうしている間に『洗脳機関()』が長距離砲で狙ってくる可能性があります。オキニィさんの乗る車両以外は先を急ぎましょう」


 「そ、そんなっ、負傷した『狂信的暗殺者(味方)』がたくさんいるところに長距離砲を撃ってくる筈がないでしょう?」


 アナベルは冷静に返す。

 「それをするのが、『洗脳機関』なのです」


 「……」



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