176 ふふ 襲撃しやすいような細い道ですね
「あ、あの」
警察署長はまたもおずおずと口を開く。
「で、私どもはどのくらい人員等協力すればいいのでしょうか?」
(前回、アナベルと口論になったことを覚えているのでしょうね。自分の惑星のことなのに人員を出したくないという考え方も噴飯ものですが、アナベルの言い方も良くなかったですね)
「私らの使う車両3台。地元警察の方は車両2台と…… 人員は10名もいれば……」
「(!。前回は10名じゃ足りないと……)それなら、何とか。車両はギリギリ用意できます。他に大型の火器とかもないのですが……」
アナベルはオキニィにウィンクする。
「それはこちらで用意してあります」
「はあ」
◇◇◇
深夜、「偵察局」と「地元警察」の職員を乗せた車両5台は、車両1台がようやく通れるような細い道を縦長に進んでいった。
(ふふ。両サイドから襲撃しやすいような細い道ですね)
アナベルは周囲を見回した。
周りは深い森林で人間が活動している痕跡は見受けられない。
(そう簡単に襲撃経路が見つかっちゃうような仕掛けでもないでしょうしね)
車両のライトは消灯し、各車両の運転者は「暗視装置」を装着して、対応している。
他の者も「暗視装置」を所持しているが、敵がいきなり強い光を浴びせて来た時に備え、装着はしていない。
「!」
アナベルは気付いた。別の車両に乗車しているオキニィも気付いているはずだ。
そして、「偵察局員」も何人かの者は気付いているだろう。
「います。車両を斜めに駐車し、両サイドからの射撃の盾になる形にして下さい。全員、降車し、敵の攻撃に備えます」
◇◇◇
「偵察局員」はアナベルの指令一下、戦闘態勢に入った。
「地元警察職員」もあわてて車両の陰に隠れた。




