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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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169 銀河最強の兄妹ゲンカ

「!」

 男は右手首を掴まれ、更に後ろから首を絞められた。


 「まったく、シラネさんの御慧眼には恐れ入りますね。『洗脳機関()』は絶対、撤退してくる『バストーニュ防衛軍』の中に暗殺者を紛れ込まして来るから、とっ捕まえろですか。その通りでしたね」


 「…… うぐっ」


 「おっと、自死なんかさせませんよ。お話していただきたいことはたくさんありますからね」


 アナベルは手早く暗殺者を気絶させると、縛り上げた。


 「さあて、シラネさんをお呼びして、訊問してもらいましょう。そろそろ、『銀河最強の兄妹ゲンカ』も一段落ついた頃でしょうしね」



 ◇◇◇



 「航宙艇」は最寄りの大規模な医療機関を持つ惑星「リエージュ」に着陸した。


 「何としてでも、ルカイヤ(こいつ)の命だけは助けてくれ。大袈裟ではなく『銀河帝国』全体の運命がかかってるんだ。カネに糸目はつけねぇ」


 シラネの悲痛な訴えに、担当医師も応えた。


 「全力を尽くします。有難いことにシラネさんの初期対応も、その後のアナベルさんの対症も完璧です。救命の可能性は低くない。ただ……」


 「ただ…… 一部の『サイボーグ化』は避けられないか……」


 医師は黙って頷いた。


 「『サイボーグ化』するとなると、惑星『リエージュ』(ここ)じゃ対応できないか。首都星系まで行かないと。リハビリにもある程度、時間かかるな」


 「おっしゃる通りです」


 「分かった。ここにはアナベルちゃんとオキニィを残そう。あたしもそろそろ帰らないと『ミッドラント(本業)』に支障が出る。くどくて悪いが、何としても助けてやってくれ」


 「全力を尽くします。いえ、必ず助けます」



 

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