153 その話まだ続いてたんですか
「独立宣言? 何それ?」
「実は……」
ルカイヤは一連のことをパウリーネに報告した。
「成程ね。自分とこの部下が死んだ数が組織への忠誠度なんて奴に、うちの軍団は任せられないね。独立宣言の声明とやらは、ルカイヤちゃんに任せるよ」
「ありがとうございます」
「ところでさあ、結婚式はいつにする? そんで余興にさあ、新郎のあたしとゲストの『旦那さん』の一騎打ちショーってどう?」
「その話まだ続いてたんですか?」
◇◇◇
「惑星『バストーニュ』及びそこに駐留する『洗脳機関第五軍団』は『銀河帝国』にも『銀河連邦』にも従属せず、政治的に独立することをここに宣言する。なお、独立宣言とともに『洗脳機関第五軍団』は『洗脳機関』の指揮命令下から離れ、名称を『惑星バストーニュ防衛軍』と改称する。この独立宣言は『銀河帝国』及び『銀河連邦』に対する敵対宣言ではない。我々は友好を強く望む。但し、相手方が我々に対し、敵意を向けてきた場合はこの限りではない」
◇◇◇
この独立宣言は、当然ながら、「銀河帝国」「銀河連邦」双方に大きな衝撃を与えた。
「はああっ~」
のっけから大きな溜息をついたのは「銀河帝国」の偵察局長である。
「気が重い~」
「何かあった訳だね。やっぱ」
話の相手はシラネである。
「『独立宣言』されちゃな~。最初は航宙軍司令が皇帝陛下に呼ばれて状況説明していたんだけど、陛下がどうしても理解できんと言ったら、偵察局長の方がよく知ってると、こっちに投げやがった。おかげで陛下に状況説明しなきゃならなくなった。ああ、胃が痛い」
「何が理解できないって?」
「『銀河連邦』の息のかかった組織が『銀河帝国』内部で非合法な活動をして、取り締まっていた。その組織が内部抗争の結果、分裂して、分派が反乱軍になった。そこまでは分かる。それが何で『銀河帝国』の一惑星を占拠して、独立宣言をするのだ? とのことだそうだ」
「あっはっは。そりゃそうだ」
「笑うなよ。こっちは真剣なんだ」




