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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

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152/230

152 第五章プロローグ

 「ありがとうございます。これで決心が固まりました」

 送られてきた通信内容を一読したルカイヤはそう呟いた。


 送られてきた通信は「洗脳機関」の第一から第四軍団長の連名での、第五軍団長とその秘書の自主的な辞任の勧告文だった。


 (まあ、そのことはいいのです。「銀河帝国」の「偵察局」の陽動作戦に見事に引っかかり、五つの惑星の支配権を喪失したのは事実ですから)


 問題はその後だ。前回の戦闘で一人の死者も出さなかったことを「第二軍団」が「指揮官(コマンダー)」七名の死者を出したことと比べ、組織への忠誠心が欠けるとし、痛烈に批判している。


 (馬鹿ですか? 全く。大体、『第二軍団』はもっと死者を出してるじゃないですか。『現地徴募兵』や『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)は名誉の戦死に入れないという訳ですか)


 (あんな方々に、手塩をかけて育てた精鋭の『第五軍団』の兵員を一人たりとも任せられません。となると……)


 「独立。『洗脳機関』からも『銀河連邦』からも独立。それしかないですね」



 ◇◇◇



 「ルカイヤちゃ~ん。ばかにサッパリした顔してるじゃーん。遊ぶ? それとも結婚する?」

 パウリーネのいつもの問いに、ルカイヤはいつもと違った調子で答えた。


 「いいんですか? パウリーネ様、私と結婚すると、新婚旅行に他の惑星(ほし)にも行けないし、『銀河連邦』内の故郷の惑星(ほし)にも行けない。それどころか、一生、この『惑星バストーニュ(ほし)』から出られないかもしれないですよ?」


 「えっ? それはプロポーズにYESということでいいのね?」


 「そっちだけ飛びつかないで下さい。私の質問に答えていないじゃないですか」


 「う~ん。ルカイヤちゃんと一緒なら、一生、この惑星(ほし)でもいいかな。あ、でも……」


 「何かあります?」


 「たまにはさ~、あの『旦那(だん)さん』って奴、ケンカ相手に呼んでくれる? 弱い相手ばっかだと、つまんなくてさ~」


 「はああ~」

 ルカイヤは溜息をついた。


 「まあ、いいでしょう。独立宣言してしまえば、『銀河帝国』の『偵察局』も交渉相手になり得ますし……」



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