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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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149 その答えは今は分からない

 「そうとも言い切れないだろうけど……」


 「ほう?」


 「『銀河連邦』からしてみれば、『洗脳機関(犯罪組織)』と繋がりがあるとか前面に出したくないでしょう」


 「そりゃそうだ。実際には繋がりがあっても『銀河帝国』側が流した虚報(フェイクニュース)だと言い張るだろう」


 「逆に『洗脳機関』が『銀河連邦』との繋がりをアピールしたら、『銀河連邦』は『そんなことを余り言うな。続けるようなら、支援も控えるぞ』とかもあるよね」


 「うーん。一般人を洗脳して自爆攻撃させる組織だからな。そことの強力なコネクションをアピールされたら……」


 「『銀河連邦』内部で政治抗争のタネになりかねないよ」


 「そうか。しかし、かと言って『銀河連邦』も今『洗脳機関』を切り捨てる気もないんじゃないか?」

 

 「まあね。まだまだ国力では『銀河帝国(こっち)』が『銀河連邦(あっち)』を凌駕しているのは事実だしね。『銀河帝国』内に潜入して、帝国民を洗脳し、帝国民同士で戦わせる。おまけにカネまで巻き上げる。弱者の戦術としてはかなり有効なのは間違いない」


 「今回、完全制圧した五つの惑星には航宙軍が常駐することになった。『銀河連邦(相手方)』を刺激するが、仕方あるまいな」


 「うん。そうだね」


 「さて、これからどうなるか……」


 「『バストーニュ』攻略戦やるとなると、規模的にもう『偵察局(うち)』の範疇じゃないしね。だけど……」


 「だけど?」


 「いや何でもない」

 シラネはルカイヤの心境に思いを寄せていた。


 (ルカイヤ。『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)養成のための洗脳システム』をわざと破壊しないで残してくれた。これでこちらは洗脳対策のプログラムが作れる。本当は『洗脳』が嫌いなんだね)


 (ルカイヤ。本当は『銀河連邦』製の垂直離着陸航宙機を見せてまで、脱出したくはなかったんじゃないか? だが、自分を慕う部下たちが本来なら隠したい『フォージャー』を使ってまで助けに来た。その気持ちに応えなければならない。そう思ってるんじゃないか?)


 その答えは今は分からない。




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