143 宿敵と対戦中なので
旦那さんとパウリーネの三戦目の対決が延々と繰り広げられている…… その時、ルカイヤの身に着けている通信機が外部通信を受信した。
「何でしょう? こちらもパウリーネ様が旦那さんと対戦中なので、出来たら後にしてもらいたいのですが……」
「ルカイヤ様。こちらは『ウィルツ宙港警備隊』です。先程より『偵察局』レーザーブラスター使いの部隊の攻撃を受けています。こちらは元の数がそんなにいないので、もう、いくらも持ちそうにありません」
「!」
ルカイヤは思わず周りを見回す。旦那さんとパウリーネの対決で、度々、発せられる白い光のせいで見えづらかったが、確かに空挺降下したはずの『偵察局』レーザーブラスター使いの部隊の姿が見えない。
「分かりました。私がすぐ宙港に向かいます」
あわてて、駆けだそうとしたルカイヤの足元をレーザーブラスターの一撃が襲う。
ルカイヤは思わず立ち止まり、レーザーブラスターを撃った者を睨みつける。
「…… 坊っちゃん……」
◇◇◇
「悪いね。宙港に行ってもらう訳にはいかないよ」
坊っちゃんのレーザーブラスターはルカイヤにピタリと照準が合っている。
「ふん」
ルカイヤも黙ってはいない。
「作戦の策源地から近いのは「洗脳機関第五軍団」の方です。そっちがその気なら、こっちは『サン・ヴィット』から直接増援を呼ぶまでです」
「果たして増援を呼べるかな?」
「何を言ってるんです。え? 何故、『サン・ヴィット』に通信が繋がらない?」
「『サン・ヴィット』はそれどころじゃないんだよ」
「どういうことです?」
「『サン・ヴィット』は『偵察局』の別動隊の攻撃を受けている。別動隊の『指揮官』は『姐御』ことシラネ・スカイ」
「!」




