137 あいつを驚かせるにはこれくらいやんなきゃ
その答えにシラネは大きく頷いた。
「うん。さすがにあたしの妹分だっ! よく言ったっ! 本当にリベンジしたいんだね?」
「はいっ!」
アナベルは力強く答える。
「では、前回の敗戦の状況を整理して、次の作戦計画の叩き台を作って提出してみて。期限は明朝10時っ!」
「明日の10時?」
「どう? 出来ない?」
「いや、やります。やってみせますっ!」
「よーしっ、やってみなっ!」
「はいっ!」
(よーしよし。うまくすれば、作戦も立案できるレーザーセイバー使いが育つぞ)
シラネは内心ほくそ笑んだ。
◇◇◇
アナベルの立案した作戦計画にシラネが手を加えた完成版を読んだ偵察局長は絶句した。
「こっ、これは…… ここまでやるのかい? シラネ君」
「局長。『アクア3』と『ウィルツ』での戦闘状況みれば、『洗脳機関第五軍団』の秘書つーか、ありゃ参謀だね。そのルカイヤが半端ないのは分かるでしょう。ルカイヤを驚かせるにはこれぐらいやんなきゃ駄目だよ」
「しかし、これだけのことやって『失敗』ってことになれば、私の引責辞任じゃ済まないぞ」
「そんときゃ、旦那さんも坊っちゃんも馘首にすればいいさ。ただ、あたしとあいつらが手を引いて、誰が『洗脳機関』と戦えるんだって話だね」
「…… 分かった。私も腹を括ろう」
「そうこなくっちゃあ」
「偵察局」サイドの反撃が始まろうとしていた。
◇◇◇
「今のところ、『偵察局』サイドに動きは見られませんか」
ルカイヤは報告書の画面を眺めながら、独り言ちた。
(だけど、このままってことはありませんよね。『偵察局』の参謀格の坊っちゃんも、その背後にいる姐御ことシラネ・スカイも……)
(ふふふ。どんな手を打ってくるか。楽しみですね)




