130 さあ戦闘再開だ
「ぐおおーっ」
悲鳴を上げたのは、アナベルではない。オキニィだった。
アナベルと「洗脳機関」の「指揮官」に割り込むように飛び込み、アナベルへの斬撃を防いだ代償に、もう一人の「指揮官」に左肩から背中にかけて斬られたのだ。
「オキニィさんっ!」
悲鳴を上げるアナベル。
オキニィは無言でその場に倒れた。
アナベルは座り込んだまま、立てなくなった。
「よーしっ! 二人まとめて片付けてやるっ!」
「緒戦で『偵察局』のレーザーセイバー使い二人を屠ったとなれば、俺たち大手柄だぜっ」
二人の「指揮官」はレーザーセイバーを振りかぶった。
◇◇◇
「ぐっ」
次に悲鳴を上げたのは、「指揮官」の方だった。レーザーブラスターの一撃が右足のくるぶしを貫いたのである。
もう一人の「指揮官」も後ずさる。
「勝負は下駄を履くまでわからないよ」
後方からゆっくりその姿を現したのは、旦那さんと坊っちゃんの二人連れだった。
「ふん、そこそこ強そうじゃないか。レーザーセイバーが光ってるわ」
旦那さんはおもむろに抜刀した。
それは鈍く光っていた。
◇◇◇
「旦那さんっ、坊っちゃんっ、でも、どうしてっ?」
アナベルの疑問に、坊っちゃんは笑顔で答える。
「オキニィさんから、警報シグナルが出たからね。駆け付けたんだよ」
「オキニィさんが……」
アナベルはそれだけ言うと、その場で気を失った。
「レーザーブラスター使いのみなさん、負傷した二人を後送して下さい」
坊っちゃんの指示にレーザーブラスター使いたちは、素早く対応する。
「さあ、戦闘再開だっ!」
今度は旦那さんがレーザーセイバーを振りかぶる。




