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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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129 とっととこの場を立ち去れ

 アナベルとオキニィ、それに、「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」二名との白兵戦が始まる。


 戦い方も対照的だった。


 積極的に敵に斬撃を加えるアナベルと慎重に刃を交わすオキニィ。


 双方の射撃は止んだ。射撃を背に平気で戦えるのは、旦那(だん)さんとシラネくらいである。


 だが、レーザーブラスター使いたちは隙あらば、敵の「指揮官(コマンダー)」を射殺すべく、チャンスを窺う。


 一方、「洗脳機関」側の射撃は白兵戦を行う四名のところまで射程が届かない。


 (白兵戦になっても優勢だ。大丈夫)

 アナベルの士気は高揚していた。



 ◇◇◇



 二合三合とレーザーセイバーの打ち合いが続く。


 傍目にはオキニィは互角の勝負。アナベルは少し優勢に見えた。


 だが、それは起こった。


 後方の地元警察の者の中で銃声がした。それと共に怒鳴り声が聞こえてくる。


 「今回のこと聞いていない奴っ! 命が惜しければ、とっととこの場から立ち去れっ!」


 二十人いた地元警察の者のうち、大半が蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく。


 だが、残った者のうち一人がアナベルを狙撃した。


 「!」


 致命的な命中にはならなかったが、その一撃はアナベルの右足のふくろはぎをえぐる。


 「ぐっ!」


 形勢は一気に逆転した。



 ◇◇◇



 「貴様っ! 何てことしやがるっ!」

 激高したレーザーブラスター使いの五名は一斉に狙撃者に向けて、発射する。


 「ぐおっ」

 レーザーブラスターの直撃を喰らった狙撃者はその場に崩れ落ち、絶命した。


 もちろん、残った地元警察の者にも、レーザーセイバー使い達は容赦しない。


 逃走する地元警察の者たちを追いかけながら、攻撃する。


 「ばっ、馬鹿っ!」

 オキニィが声を上げる。

 「敵の術中にはまるんじゃないっ! アナベルを援護しろっ!」


 アナベルは気丈にも戦闘を続けていたが、負傷個所の激痛と出血による劣勢は否みようがなかった。


 「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」の斬撃を辛うじて防いでいるが、それも限界に来ている。


 「これで終わりだっ! 死ねっ!」

 「洗脳機関」の「指揮官(コマンダー)」の強力な斬撃がアナベルを襲う。




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