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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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127/230

127 少なすぎます

 「恐らくここが『洗脳機関』の施設ではないかというところは見当がついています」


 惑星「ウィルツ」の地元警察はアナベルたちにそう報告した。


 「『指揮官(コマンダー)』が二人いることも確認出来ています」


 アナベルはレーザーセイバーを握る手に力を入れた。


 「ウィルツ(この惑星)」の現場指揮はアナベルに任されている。

 

 旦那(だん)さんと坊っちゃんは航宙機から降りず、外宇宙を哨戒している。五つの惑星で何かアクシデントがあったときに備えているのだ。


 「『洗脳機関()』が本格的に攻撃してくる前に、その施設を潰しましょう」

 アナベルの提案をオキニィは軽く制する。


 「『洗脳機関()』の『指揮官(コマンダー)』以外の兵数は?」


 地元警察の者は一瞬、焦燥の表情を浮かべたが、すぐに答えた。

 「正確なところはわかりませんが、二十名ほどかと」


 オキニィは少し考えた後、続ける。

 「『狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)はいるのですか?」


 地元警察の者はやはり一瞬緊張の表情を見せたが、すぐに答えた。

 「今のところ、確認されておりません」


 (まだ時期が早いから動員出来ないってことか……)

 考え込んだオキニィに代わるかのように、今度はアナベルが再質問した。

 

 「ここの警察の人数は? どの位、『洗脳機関()』への攻撃に動員して貰えますか?」


 「全部で三十人いますから、頑張って十人くらいは……」


 「少な過ぎますっ!」

 その言葉をアナベルが一喝する。


 「三十人いるなら、二十人は動員して下さいっ!」


 地元警察の者は露骨に不快の表情を示したが、渋々言った。

 「努力しましょう」


 「急いで下さいっ! 『洗脳機関()』の援軍が来る前に潰したい」

 先走るアナベルにオキニィはあわてて付け加える。


 「すみません。ここには火砲や爆薬はないのですか?」


 「ここは『警察』です。『軍』じゃない。そんなものはありません」

 最後は地元警察の者は不機嫌さを隠さなかった。




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