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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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117/230

117 口八丁で丸め込む

 (さあて)

 ルカイヤは大きく伸びをする。

 (今回も本部を口八丁で丸め込んだとはいえ、毎回、こういう訳にはいきませんし……)

 (また、『銀河帝国』内の幾つかの惑星(ほし)に拠点を作るといたしましょう)


 ルカイヤは内線を繋ぐ。

 「先行潜入チームの訓練(トレーニング)教程(プログラム)は順調ですか?」


 「順調です。ですが……」


 「ですが?」


 「救援チームの方が遅れ気味です」


 「よろしい」

 ルカイヤは静かに、だが、力強く言った。

 「全チームが完全に教程(プログラム)完了(コンプリート)するまで、作戦(オペレーション)は発動させません」


 「はっ、はい」


 「本部が何を言って来ようが、私が止めます。貴方たちは完全に教程(プログラム)完了(コンプリート)させて下さい」


 「はいっ」



 ◇◇◇



 「ふんっ」

 シラネは至近距離から斬撃を打ち込む。


 「くっ」

 その訓練生は右足を踏ん張り、それを受け止めた。


 そして、力を込め、シラネの模擬刀をはね返す。


 「むんっ」

 シラネはその力を利用し、後方へ跳躍、着地と共に両足を踏ん張り、模擬刀を中段に構えると、再度、訓練生に斬撃を加えに行く。


 訓練生はそれも止め、今度は力勝負になる。


 シラネは模擬刀を相手の模擬刀から外すと、距離を取る。


 今度は模擬刀を大上段に構え、雄たけびと共に訓練生に突進。


 強力な斬撃に、訓練生は足を踏ん張り、辛うじて止めるが、シラネの短い距離で振りかぶり、一気に叩きつけた斬撃には、たまらず模擬刀を取りこぼした。


 「勝負あったね」

 シラネは肩で息をしながら、笑顔で語りかける。


 「参りました」

 その訓練生は頭を下げた。


 「いや、いい勝負だったよ。まだ若いし、もっと強くなるよ。練習真面目にやってるのがよく分かったよ。アナベルちゃん」


 アナベルは笑顔を見せる。


 どこからか拍手が沸き起こり、周囲の者も笑顔になる。




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