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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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109/230

109 まさか あんなものまで持っているとは

 「どういうことっ? 宙港じゃなくて、海面に降りるなんて……」

 ラティーファの疑問に即座に答えたのは、坊っちゃんだった。


 「宙港だと僕らの射撃を受けるからでしょう」


 「それにしても、海面に降りられる航宙機なんかあったんだ?」


 「あれは正式に言うと『航宙機』ではなく、『航宙艇』です。リバーウエスト社の『エミリー』の輸送タイプです。着水出来るし、水上から飛び立てます。でも、まさか、あんなものまで持っているとは……」


 島の訓練生たちが茫然としている間、「航宙艇」からは、わらわらと敵兵が飛び出して来た。


 今までと違い、「狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)」の姿は見られない。



 ◇◇◇



 敵兵は素早く散開し、射撃を始める。


 「いけないっ! みなさんっ! 散開して遮蔽物に隠れて応戦して下さい」


 訓練生は、坊っちゃんの指示一下、散開する。


 (これは……)

 坊っちゃんにはすぐ分かった。


 (今まで戦ってきた相手とはモノが違うぞ。精鋭だ。『ビル・エル・ハルマート』や『アクア3(スリー)』の現地徴募兵とは訳が違う……)


 「エウフェミアさんっ!」

 坊っちゃんは振り向きざまに声をかける。


 「すぐにエウフロシネちゃんを連れて、建物の中に退避して下さいっ! こいつらは危険だっ!」


 エウフェミアは(うなず)くと、右腕でエウフロシネ()を抱きかかえ、建物に入ろうとする。


 だが、エウフロシネは抵抗した。

 「坊っちゃんっ! 坊っちゃんが心配っ!」


 「エウフロシネちゃんっ!」

 エウフェミア()はいつになく厳しい顔でエウフロシネ()(たしな)めた。


 「前もそれで『人質』になって、みんなに迷惑かけたでしょっ! 忘れたのっ?」


 「うっ、うん」

 エウフロシネは静かに(うなず)いた。


 「大丈夫。旦那(だん)さんと坊っちゃんのコンビは今まで負けたことないんだってから」

 エウフェミアは最後に笑顔を見せた。




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