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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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106/230

106 何でいきなり技かけられてるんですか

 旦那(だん)さんのもっともな疑問に、場は一転静まり返った。


 「うん。そういや、俺たち、金払ってなかったな」

 「そうだそうだ」

 「いやぁ、つい、盛り上がっちゃったな~」


 荒くれ海の男たちは大爆笑した。



 ◇◇◇



 荒くれ海の男たち(ギャラリー)はそれで納得したが、ラティーファ(対戦相手)はそうはいかなかった。


 「ラッ、ラッ、ラッ、ラティーファさん。何で俺はいきなりホールド()かけられてるんですか?」


 「全く……」

 ラティーファはホールドする腕に力を入れる。


 「旦那さん(あんた)は何しにこの惑星(ほし)に来たんだっけ?」


 「何って、ええと、肉食魚(ガレオス)退治だっけ?」


 その答えにラティーファは、みたび背筋を伸ばす。


 「ぐわあぁぁぁっ」

 またも旦那(だん)さんが悲鳴が上がる。


 「そうじゃないでしょ。旦那さん(あんた)の仕事は『人材育成機関』の教官でしょ?」


 「言われてみれば、偵察局長がそんなこと言ってたような……」


 ラティーファは大きな溜息をついた。しかし、ホールド()は外さない。

 「何で、その『人材育成機関』の教官が訓練生ほっぽり出して、魚取りに精出してんの?」


 「だって、強そうな人が誰もいなくて、その点、肉食魚(ガレオス)は強いんがいて……」


 「強そうな人がいないなら、旦那さん(あんた)が鍛えて、強くすればいいでしょ」


 「他人(ひと)を強くするやり方なんか分かんないよ。俺には……」


 ラティーファはもう一度大きな溜息をついた。ホールド()はそのままだ。

 (そうだ。旦那さん(この人)は呆れるくらい不器用なんだ。はああ。でも、そういうところが……)


 ラティーファはあわてて(かぶり)を振った。

 (いやいやいや、何を考えている。あたし。今はそんなことを考えている場合じゃないだろう。よしっ!)



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