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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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104/230

104 素早くすり抜け入れ違いに乗船しようと

 エウフェミアが最終的にシナンを連れて行ったのは、やはり、エウフロシネが坊っちゃんを連れて行った砂浜だった。


 「ここはエウフロシネちゃんとあたしの秘密の場所で、ここで二人で、肉食魚(ガレオス)の歯でネックレスを作ったんです」


 「そんな大事な場所に、俺が来ちゃっていいの?」

 シナンの問いに、エウフェミアは笑顔で答える。


 「いいんです。ここは坊っちゃんも来たことあるんですよ」


 エウフェミアはまたほほ笑んだ。


 その笑顔は、この惑星(ほし)の衛星の反射光を浴びて、輝いていた。


 シナンはドキリとした。

 (そう言えば、こんな感情は、ラティーファちゃんにしかなかったかもしれない。シラネさんにはなかったな)


 己の胸の鼓動の高鳴りに、思わず黙り込むシナンだったが、エウフェミアは懐からなにやら取り出した。


 「あの、これ、貰ってもらえませんか?」


 懐から取り出したのは、肉食魚(ガレオス)の歯で作ったネックレスだった。


 「これは大事なものじゃ?」


 「大事なものです」

 エウフェミアはシナンの眼を見据えて言う。


 「だから、貰って欲しいんです」


 シナンは一瞬だけ躊躇したが、すぐ、受け取った。

 「ありがとう。大事にするよ」



 ◇◇◇



 翌朝は好天に恵まれた。


 『人材育成機関』の島行きの船は、あっという間に目的地に到着した。


 毎日のことにかかわらず、着くや否やエウフロシネは船から飛び降り、『人材育成機関』の建物に向かい、駈け出した。


 「ああっ、待ってよ~っ、エウフロシネちゃん」

 エウフェミアはあわてて船から降りる。


 「凄い張り切りようだね~」

 シナンは感心しつつ、追うように降りる。


 そこに船に近づく黒い影一つ。


 黒い影は素早く船から降りる一行をすり抜け、入れ違いに乗船しようとした。

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