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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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100/230

100 自習以外やったことがない

 「てゆーか、『剣術訓練』コースの方は『自習』以外やったことないんですけどね。みんな『射撃訓練』コースが羨ましいと言ってます」

 アナベルは淡々と語る。


 事の真相はこういうことらしい。


 「剣術訓練」コースの訓練生は十名は「星間警察」「偵察局」の中の多数の受講希望者から選抜された。


 選び抜かれた栄えある「剣術訓練」コースの訓練生のうち九名は希望に満ちて「人材育成機関」の門をくぐった。

 

 教官は「洗脳機関」の指揮官三名を倒した通称旦那(だん)さんことホタカ・スカイ氏である。


 訓練生のうち、ただ一名アナベルだけは一抹の不安を抱いていたが。



 ◇◇◇



 不安は見事に的中した。


 開講の日、背筋をピンと伸ばし、横一列に並んだ訓練生の前に現れた旦那(だん)さんは部屋中に響き渡るような大きな溜息をついた。


 それから…… 背中のレーザーセイバーを抜刀した。


 しかし、そのレーザーセイバーには「柄」しかなかった。


 旦那(だん)さんはもう一度、大きな溜息をつくと、おもむろに壁に「自習」と書かれたA1程の紙を張り付けた。


 最後に、「そこに模擬刀があるから、適当にやってて」と言うと、部屋から出て行った。


 残された訓練生たちは茫然としていたが、事前にこの事態を予測していたアナベルだけは冷静だった。


 「ぼうっとしていても時間がもったいないです。せめて『模擬剣闘』をして、先生を待ちましょう」

 こう呼びかけ、現在に至る。この後、旦那(だん)さんの姿を見た訓練生は誰もいない。



 ◇◇◇



 「そう言えば……」

 エウフロシネが言う。


 「あたしが今日、ここに来る時に、船に向かう黒い影とすれちがったんだけど……」


 「やっぱりかあ」

 坊っちゃんはうなだれる。


 「それが、旦那(だん)さんだよ。そうじゃないかと思ってたけど、やっぱり、ここの人たちと一緒に漁に行ってたんだ……」


 

 

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