ふえるとどうなる?
所有物は少ないより多いほうが良さそうに思えます。
ただ、必要以上に持ちすぎると余計な苦労を背負うこともあるかも。
「んとね。白猿さん。羊毛フェルトって知ってる?」
「ああ、知っているぜ。子狸くん。フェルトってのは動物の毛や合成繊維を固めたものだ。フェルトペンのペン先なんかでも使われている。羊毛フェルトは、文字通りヒツジの毛のフェルトだな。
シート状のぶあつい布という意味と、手芸の一種という意味があるぜ。子狸くんの言っているのは手芸のほうかな」
「うん。羊毛フェルトを使うと、ぬいぐるみを作るより簡単に立体の工作ができるらしいの」
「簡単かどうかは意見が分かれそうだな。専用のハリでワタにした羊毛をチクチクさしてつくるんだ。やっていることは単純だけど、それなりに根気がいる。どんな工作物でも言えることだけど、作り手の能力次第で出来が変わる。たとえばこういうのだ」
「ぼく? なんか手並みがリアルな感じだけど、不気味なの」
「さっきのはアホリアSSが作ったものだけど、うまい人が作ればもっとかわいらしくできるだろうな。ちょうどいい色の羊毛がなかったので、複数の色の羊毛を混ぜている。これをやると汚く見えることもあるから、なるべく色はまぜないほうがよさそうだ」
「作るのは難しいのかな」
「大きめの百円ショップや手芸店でキットが売られていることもある。最初はキットで試したほうがよさそうだ」
「んとね。ハリはちょっと怖い気もするの」
「羊毛をせっけん水でしめらせれば、ハリを使わずに固めることもできるらしい。おおざっぱな形でいいなら、せっけん水を使うのもいいかもな」
羊毛フェルトを扱った童話『耳とシッポが青いネコ』もあります。
https://book1.adouzi.eu.org/n2269hx/




