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悪役令嬢に転生したはずが、主人公よりも溺愛されてるみたいです[web版]  作者: 菜々@12/15『不可ヒロ』1巻発売
本編

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50 主人公も来るなんて聞いてません


「はいっ!そこでターンですっ!」



レヴェラ先生が手をパン!パン!叩きながら指導してくれている。

ダンス初心者である私の猛特訓が開始して3日が経過していた。


テレビで観ていたアイドル達の激しいダンスを見慣れていたからなのか……この世界のダンスは思っていたよりも踊りやすかった。

リディアの身体に染みついた感覚もあるのかもしれないが。



ただ、問題があるとすれば……。



「リディア。随分と上達したな」


「……どうも」



男性パートナー役として、エリックが名乗り出たのだ。


サラサラの金髪に透き通るような肌。

整いすぎた顔にスマートな出立ちが、私の中の『王子様』像そのままのエリック。


そんなエリックと至近距離でのダンスの練習は、思った以上に心臓に悪い。



リディアにとっては兄でも、私にとってはただのイケメンリアル王子様なんだよ!!

密着してるこの距離感はヤバいって!!



エリックが執務で忙しい時には、カイザやイクスが練習相手になってくれる。

誰が相手でも私の心臓に悪い事には変わりない。



こんなイケメンしかいない世界に慣れたら、もうどこにも住めなくなっちゃうわ…。



ダンスのレッスンが終わり自室へ戻ると、メイド達が集まってなにやら興奮していた。

何か大きな箱の周りに集まっているようだ。


メイが1番に私に気づいた。



「リディア様!!お帰りなさいませ」



他のメイド達も「お帰りなさいませ」と言いながら大きな箱から離れた。


可愛いピンクのリボンでラッピングされた箱。

丸まったら私でもスッポリ入れそうなくらい、大きい。



「これは何?」


「ルイード皇子様から届いたのですよ!」



メイはなにやらとても興奮している。

目がキラキラと輝き、顔も赤く火照っている。



「そ、そう。開けてみてくれる?」


「はいっ!!」



メイが箱を開けた途端、メイド達から歓声が上がった。


中にはリディアの瞳と同じ、薄いブルーのドレスが入っていた。

繊細な刺繍がところどころにあり、その間にはブルーの宝石が散りばめられている。



あまりの美しいドレスに、私もメイド達も見惚れてしまった。

中にはドレスだけではなく、ドレスに合った宝石や靴までも揃えてある。



な、なんて素敵なの……。


何度か友人の結婚式に参列した事はあるが、こんなに綺麗なドレスは今まで見た事がない。



「なんて美しいドレスなんでしょう…」


「さすがルイード皇子様ですわ…」



メイド達が口々に褒め称えている。

みんな顔がうっとりしていて、まるでドレスに恋しているかのようだ。



「あっ!リディア様。

メッセージカードが入っております」



メイからカードを受け取り、ルイード皇子からのメッセージを読む。



『リディア嬢


兄の生誕パーティーでお会いできるのを楽しみにしています。


ルイード』



とてもシンプルなメッセージだけど、これまで男性から手紙など貰った事のない私は見事に胸を撃ち抜かれてしまった。



きゃーーーーーー!!!

なんなのこの感じ!!


かゆ!!ムズ痒い!!

なんだか居た堪れなくてムズムズするー!!



無性にベッドの上で手足をバタバタさせたい衝動に襲われたが、メイド達の前なのでなんとか堪えた。


そういえば、ルイード皇子に会うのも結構久しぶりになるのね。

2ヶ月ぶり……くらいかしら?


便りが何もないという事は、体調の悪化などもなく元気に過ごされているのね。



婚約者として会うのは微妙だが、あの可愛らしい推しアイドルのルイード皇子に会うのは楽しみだった。



「当日はエリック様と同じ馬車で王宮へ向かうそうですよ。

サラ様をお迎えには行かないそうです」



メイが紅茶とお菓子を用意しながらさらっと言った。

ダンスレッスン後で小腹の空いていた私は、クッキーを1つ摘むとそのまま口に入れながら答えた。



「へぇ〜。そうなん……ぐふっ」


「きゃっ!!リディア様!?大丈夫ですか!?

お、お茶飲んでください!!」



メイが慌てながらカップを差し出してくる。



ゴクッ。ゴクッ。



はぁーーーーー。


危ない……思わずクッキーを喉に詰まらせるところだったわ!!



「サ、サラ様を迎えに行かないってなに?

サラ様も王宮に行く予定があるの…?」



私の質問に、メイは目を丸くした。



「はい。それはもちろん…。

エリック様の婚約者として、エリック様と一緒に参列されるのですよ?」



ななななんですってーーーー!!


パーティーにはサラも参加するの!?

しかもエリックと一緒に…ってなったら、距離も近いじゃない!!


まだ心の準備ができてないのにー!!



……って待てよ。

サラは私の婚約者がルイード皇子だって知っているのかしら?



それに…小説の中での婚約者サイロンは、サラに一目惚れをしてリディアを捨てたわ。

小説に登場しなかったルイード皇子は、サラの事を好きになるのかしら?



悪役令嬢リディアの婚約者は主人公を必ず好きになる……なんていう設定があるかもしれないわよね。

そうだとしたら、ルイード皇子もサイロンみたくサラに一目惚れする可能性もあるわ。



サラとルイード皇子が出会ったら、どうなる??


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― 新着の感想 ―
[一言] 命の恩人で国の危機を救った 主人公からゲームヒロインに乗り換えたら 第二王子は良くて廃位 悪くて幽閉じゃないかな? あり得ないけど
[気になる点] いや、もうさ、主人公補正の代表格に鈍感や自己評価低いてのがあって、 そういうのが話を盛り上げる要素になってるのは判るけど、 これはちょっといくらなんでも酷すぎwwwwww 原作の主人公…
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