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悪役令嬢に転生したはずが、主人公よりも溺愛されてるみたいです[web版]  作者: 菜々@12/15『不可ヒロ』1巻発売
本編

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36 主人公サラとの初対面です


ウソでしょウソでしょ〜!!

なんでここに主人公が現れるわけ!?


屋敷入り口から離れた場所に来たはずなのに、なぜか主人公が現れましたぁ!!


今はまだ主人公の視線はイクスしか見ていないみたいだから、このまま逃げちゃおうかな?

でも、それに気づいたイクスに名前を呼ばれたりしたらおしまいだわ。

ここは……イクスの後ろに隠れて、存在感を消しておこう。


喪女だった私はね、存在感消すの上手なんだから!


イクスの背中にピタリとくっつく。

主人公と会話していて、イクスは気づいていない。


ふふっ。元喪女の隠密スキル、舐めるなよ!



それにしても、この主人公……なにかおかしくない?

何でまだ会った事のないイクスの名前を知っているんだろう?

しかも、わざわざ追いかけてきたって…なんで?



小説の主人公は、優しくて温かくてみんなを包み込んでしまうような…そんな女性だったはずだ。

リディアの派手な見た目・行動にゲンナリしてた男達は、主人公の素朴な可愛さに惹かれたのだ。


自分から初対面の男を追いかけてくるタイプじゃなかったはずだけど…。


私の行動のせいで……話の流れだけでなく、キャラの性格までも変えてしまったのかしら!?

話し方もなんだか…ぶりっこみたいな…。



「ところで…後ろに隠れているのはどなた?

イクス卿にそんなにベッタリくっついて…」



甘く、わざとらしく高くしていたような声から一転。

ゾッとするような低い声に、思わずビクーッと震え上がった。



こわっ!!!

な、なに!?ぶりっこって心の中で言ったのが聞こえたの!?ひぃぃーーー。


てゆーか見つかってるし!!だよね!?

ドレス全然隠れてないもんね!?

こんなんじゃ本気で隠れられないって、ちゃんとわかってるから!

だからイクス!その哀れな視線送ってこないで!



はぁ…。仕方ない…。

ここで無視したら私が主人公を虐めてるって思われちゃうかもしれないし、ちゃんと挨拶しなきゃ…。


イクスから離れて、主人公の前に立つ。


うわ……これが主人公、サラか!

確かに素朴で愛らしい顔しているけど…リディアの方が全然美少女ね!


悪役令嬢だと思われないように、しっかり笑顔を作って…。

にこっ!


とびっきりの笑顔を向けると、サラは少したじろいでいた。

リディアの美しさが眩しすぎちゃったかな?



「はじめまして。

コーディアス家長女、リディア・コーディアスでございます」



ドレスの裾を持ち、ペコリと令嬢らしいお辞儀をする。


…………しーーーーーん。



ん??返事なし?


顔を上げてサラを見ると、カバのように口を開けてこちらを見ている。


まぁ。なんて間抜けな顔なの。

いいの?主人公がそんな顔していいの?


私の横でイクスが微かにプルプル震えているけど…これ絶対笑い堪えてるわね。



「リディア…?って、エリック様の妹の…?」


「はい。エリックお兄様の妹のリディアです」


「ウソよ!!」



え?ウソ?何が??


突然否定されて、イクスと顔を合わせる。

ウソなんて何も言っていないけど??


サラの顔も、真剣そのものだ。

むしろ少し青ざめているようにも見える。



「だって、悪役令嬢のリディアはもっとキツい顔をして、だっさい縦ロールの髪型してるはずだもの!」


「サラ様!」



さすがにリディアへの暴言を聞き流せなかったのか、イクスが止めに入った。

イクスに名前を呼ばれたサラは、「あっ」と言って口をつぐんだが私の事をずっとジロジロ見ている。



私は、『キツい顔』や『だっさい縦ロール』よりも気になる言葉があった。


今……『悪役令嬢』って言ったよね?


たしかにリディアは悪役令嬢だけど、それは小説の中の呼び名というか……設定で、実際にこの世界で悪役令嬢と呼ばれていた訳ではない。


なのに今、サラは私の事を『悪役令嬢のリディア』って言った……。



会った事もないのにイクスの名前を知っていたり、私の事を『悪役令嬢』って呼んだりする。


もしかしてこの主人公……私と同じ転生者なんじゃないの!?






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[一言] げっΣ( ̄ロ ̄lll)!!
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