19 ギルドリング。
評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。
誤字脱字報告ありがとうございました。
ギルドリングのお披露目をして、機能の説明に入る。
「この腕輪には、以下の機能が備わっています……」
1:個人識別機能。
これは【所有者登録】を少し弄って付与してあるので、本人しか使えないようになっている。
勿論、俺は使えるようにバックドアはあるので安心。
2:収納機能。
腕輪の一部の中を空洞にし拡張空間と時間停止を付与。
収納量はランクによって変わる。
3メートル四方のサイズから最高ランクになると100メートル四方サイズとなる。
勿論、違法な物を入れればギルド本部に通知がくるので、即逮捕が可能。
3:貯金機能。
今後できるギルド支部なら、どこでも預ける事も引き出しも可能になる。
まあ、収納に入れておいても良いけど、これはおまけ機能だ。
4:GPS機能。
装着者がどこに居るのかすぐ分かるようになっている。
5:通信機能。
これは相手の腕輪を登録していればどこでも通信可能になる。
登録件数はランクによって変わる。
最初は5件で最高ランクは1000件まで可能だ。
最初からギルド本部とは通信可能で、これは登録可能件数に含まれない。
6:身分証明機能。
腕輪の一部に触れて表示と念じれば、顔写真、名前、住所、経歴、ランクがG~Sと表示される。
色だけだと色を覚えていない人や色を見分けられない人が判断できないので、表示されるようにした。
ちなみに方法は、幻術と鑑定を使用。
7:言語翻訳機能。
これで外国人とも気軽に話せるね!
読み書きはできないから気を付けよう。
「……と、腕輪の機能はこんな感じですね」
最後に胸を張ってドヤ顔を決めてやった!
フッフッフッフッ、どうだこのやろう!
しかもこのギルドリングは、ギルド支部やギルド本部で作れるように専用魔道具も作ったぞ。
俺頑張った!
あっ、説明はただその機能があるとだけ言ってあるので、俺がどうやって作ったのかは知られていない。
全ての説明が終わってみると、全員ポカーンだ。
総理まで!?
前もって説明してあったのに……。
誰か喋れよ!
「何か質問はありますか?」
そう言うと、緊張気味に下田君が出てきた。
「えーっと……えー、そのギルドリング? は、一般人にも配りますか? 例えばギルド員ではない、我々議員とかにも……どうですか?」
ムフフ、顔がニヤけてしまう。
そうだろうそうだろう。
欲しいだろう?
こんな腕輪があったら買うよねぇ?
だがしかーし!
金を出して買うならこのリングのお値段はなんと『100億』はするのだ。
なので……。
「それはありません、ギルド員になった者にしか着ける資格はありません。 ……言わばこれは危険を承知で戦う人の証になるんですよ? その証を着ける覚悟があるなら是非ギルド員になって下さいね」
そう言ってニッコリ笑う。
おそらく一番欲しいと思ってるのは、収納機能だろうな。
戦う人のために作った物を、お前らにやる訳ないだろうが!
ちなみに欲しいからと言って、ギルド員になって何もしなければそく解雇されますよ。
「戦闘が苦手という人は、学園で学んで生産系の仕事に就く事もできます。 そうなれば『派遣ギルド』に登録可能ですよ? ちなみに登録は15歳からです」
この腕輪を求めてギルド員になる住人も多いだろう。
それだけでもかなり儲かる!
それは登録料に1000円必要だからだ。
壊れる事はほぼ無いから、自分で紛失した場合はGPS機能を使って探す手間賃として『1万円』頂きます。
カードやドッグタグみたいな物だと紛失する人が居ると思って、腕輪にしたのだから。
それで紛失したらそりゃ1万円貰いますよ?
事故や事件なら話は別だけどね。
「派遣ギルドは、派遣会社と同じようなものです。 なので、仕事をちゃんとする人は登録可能となってます」
すると下田君が……以下略。
「そのような武力や便利な腕輪を持つギルド員が罪を犯せば、被害は甚大ではないでしょうか?」
なるほど、国会のこういうのはあれか。
全ての可能性や反対意見を言って、提案をブラッシュアップしていくのかも?
違う目線での意見という事かな?
「では、警察組織も解体しないといけませんね、あと自衛隊も? それらの組織も武力を持っていますが? 警察や自衛隊の中にも犯罪者は居ますよね? なぜ解体しないのですか? ……つまりはそういう事ですよ、それらを出さないようにしていくのが組織の改善というものだと私は思います。 なので何かあっても隠蔽はしません、じゃないと改善はできませんからね」
優良組織を目指しています!
その後、機能について幾つかの質問を答えて無事終了。
終わったら別室で、総理と防衛大臣との雑談が始まって暫く経った頃、総理が……。
「あの腕輪、私も欲しいねぇ……ダメかな?」
「勿論……ダメです」
当たり前じゃろがい!!
すると、防衛大臣が話し始める。
「進藤君、国の危機にギルドは動かないのかね?」
総理と違って防衛大臣は少しお堅い。
「いえ、勿論動きますよ? ただし、それはあくまでもギルド員個人の自由です。 所属する国の危機に動くのは個人の意思で動いてもらいますが、ギルドの規則に戦争に関わらないという規則がありますから、直接戦争に参加とかはしません、避難誘導や、そこに暮らす人を助けるためには動きますけどね」
「それだけでも有難いね、確かに一企業が戦争などに関わるなんてしないからな、その方針で良いと思う……しかし、あの腕輪は欲しいな」
まだ言うかこのおっさんたちは。
「勿論ダメです……それか、議員バッジとか警察手帳の代わりになる物を依頼して頂ければ作りますよ? お値段は高くなりますが」
俺がそう言うと2人共、腕を組んでう~んと考え込み始めた。
すると総理が。
「ちなみに幾ら程になるかな?」
ふむ……機能によるが。
「ざっくり見積もって、10億くらいですね」
「じゅ……もうちょっと安くならないかな?」
「そうですねぇ……全ての街にギルド支部を置く土地と許可を頂ければ、1億で作りますよ?」
そう提案すると即作る事が決まった。
その後、デザインや機能の事を話し合い、製作期間は余裕を見て1ヶ月程もらって俺は帰宅する。
議員バッジと後、警察と自衛隊の物もちゃっかり頼まれましたよ。
俺には学園とギルドの面接という、大きな仕事が待っているのだ。
それが終わったらじっくり作ってやろうと思う。
どんな奴が来るのか楽しみだねぇ。
読んで頂きありがとうございました。




