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7 50年で。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

由奈がサラッと『私も不老だし』と言った事を俺は聞き逃さなかった。

その事を皆に伝える。



「マジか……」

「由奈……」

「由奈ちゃん……」

「そうだったのか……」

と皆が微妙な雰囲気になった。


「どうして今までい……」

そこまで言いかけた時、皆が喋り出す。


「これで由奈もずっと一緒だな!」

「由奈がずっと可愛いままなのね!!」

「流石私の孫ねぇ」

「ふむ、由奈なら大丈夫だろ、洋介がおるからな」

おっちゃん、俺が居ても大して変わらないと思うよ。



ん? ちょっと待てよ?

…………うん、別に不老でも問題は無いか?

ただ……。

「由奈が成長しない原因を調べてる事知ってたよなぁ?」

ジトーっと見ると頭を下げた。

「ごめんなさい!」

そうして由奈が語った理由を聞いて俺は泣きそうになってしまった。



まさか俺の事を考えて黙っていたとは!!

なんて良い子なんだ!

「確かにちょっと前の俺ならそう思ってたかもな」

「やっぱり?」

進化して知力も上がった今だからこそ、由奈が不老になっても特に問題無しと思えるんだ。



「まあ、由奈が不老でも別に良いんじゃないか? 不死ではないんだし、これが不死とかなら何としてでも由奈を殺す方法を探していただろうな」

「それはそれで怖いんだけど……」

何を言うか!?


不死なんて碌なもんじゃないぞ?

死にたくても死ねないなんて、何階層の地獄だって話だ!

まあこれは、1度でも死にたいと思った人間ならよく分かる話だろ。

俺も昔はってその話はいいか。



「まあ、何か困った事があればいつでも相談に乗るからな、不老先輩として」

「不老先輩……うん分かった、何かあれば言うね」

まあ、由奈なら大丈夫だと思うけど。



そこでユウが口を開いた。

「ん? って事は、由奈は結婚しないのか?」

皆シーンとなる。


結婚かぁ……。

「それは由奈の自由じゃね? 相手が不老の女の子でもいいと言う男で、由奈が結婚したいと思う相手なら? な?」

そう言って由奈に視線を向けると腕を組んで考え込んでいた。



由奈が答えを出すのを皆で待つ。

暫くして由奈は顔を上げて答えた。

「今は別に結婚はしたいと思わないかな?」

そりゃ16歳だもんねぇ。

遊びたい盛りでしょ。


これがあと10年とか20年経てばまた変わるかもしれないが、今はそれで良いと思う。

しかし、結婚する相手はかなりの覚悟が必要になるだろう、なぜならば……。


相手は永遠のロリだから!!

見た目はね。

不老って精神面がどうなるかなんて今の所分からんからな。



ちなみに俺は結婚なんぞ1ミリも考えていない。

いや、エルフちゃんが目の前に現れたら分からないが。




そんな話をした翌日、俺たちは山波さんの所へきていた。

武器の納品と学園設立を早めにやった方が良いと伝えるために。


そして武器は無事納品。

倉庫になっている所に全ての武器を取り出し、ちゃんと魔法契約をして完了。

報酬は合計553億、おまけして550億円になりました。

おまけで3億減らす俺の器!!

自分にビックリだわ。


武器は昨夜クラフトで作りましたよ。

収納を皆に頼んでひたすらクラフトという流れ作業。

派遣で鍛えた流れ作業の効率化と黙々と作業する事には慣れているのだ!


ちなみに支払いは金か別の何かを検討中との事。

土地は今のところ要らないよ?



そして応接室へ戻ってきた俺たちは学園の話をする前に、山波さんが数枚の紙を差し出してきた。


「これは?」

「昨日決めた土地の権利書です、後……去年進藤さんから買った支払い方法が記載されてます」

去年?

「……ああ! 武器と証の?」

そう言うと山波さんは頷いた。



俺は紙を持って内容を見ていく。


ふむ、これは権利書か。

でこっちが……。

「おう、そうきたか」

支払い方法にはこう書かれていた。



『進藤洋介殿。

貴方から購入した物の支払いについて検討した結果、10年間の免税でいかがでしょうか? ありとあらゆる税を10年間免除致しますので、了承して頂く場合は山波涼太一等陸尉へ、その旨をお伝え下さい。』



と、税を免除するとはね、しかし……。

「山波さん」

「はい!?」

そんなビビらんでもいいんじゃない?


「この10年間って言う所を50年にして下さい、そうすれば了承しますとお伝え下さいな」

「はっ? 50年……」

あっ、山波さんは俺が不老って事知らないんだった。

だが賢者だって事は知っているので言っても良いかな?



「私が賢者なのはご存じですよね?」

「えっ? あ、ああ、それは知ってますよ? それが?」

「賢者には不老スキルがあるんですよ……歳をとらないんです」

ステータスの年齢は上がってるけどね。

すると山波さんは口をポカーンと開け、今にも飛び出しそうな程目を見開いていた。



成長の話で驚かそうと思ってたんだけどな。


「ふ、ふ……」

山波さんが笑ってる。

いや違うか。

「ふ、ふろうって、あの浮浪者ですか?」

「そうそう、だから50年はって字が違うような気がするのはなぜだろうか? 浮浪者じゃくて、不老ですよ? 歳をとらないって事、老けないって事です……分かりました?」


「あ、あぁ……お偉いさん方が聞いたら、全員欲しがりますよそれ」

「賢者にならないと無理だと思います……たぶん」

魔女でも習得できたからね。

「なので50年でお願いします……じゃないとお金にしてもらいますよ?」

「あ、いや、分かりました! 50年ですね? それで通します! 必ず!」

ふぅ~、50年もありゃもっと稼げるからな。


それで税金を払わなくて済むなら全て俺の懐に、フッフッフッフッ……。



支払いの話が終わったので今度はこちらから爆弾を落としまくってやろう。


「では、次は私の方から……」

「何ですか? 支払いの件は纏まりましたよ?」

俺は少し溜めて答える。



「専門学校、いや、専門学園を早急に作りましょう!」

俺の言葉に山波さんはポカーンだ。


前にもあったなこんな事。

読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 容姿は人それぞれですけど十六歳ならロリではない気がします。 ロリっぽい人もいれば大人っぽい人もいるかな、と。
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