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4 実績。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

俺たちは大学から出て先ず、あの地下駐車場ダンジョンがどうなっているのかを見に行った。



すると、元々マンションの瓦礫が大量にあったのに今では綺麗に片付けられ、地下駐車場への入り口があった場所は、10メートル程あるコンクリートの壁で囲まれていた。


正面には大きな自動で左右に開く鉄製のゲートがあり、開いた状態である。

そこを色んな人が入っていったり、偶に出てくるグループなどが見られた。


若者が出入りしている中、偶に年配の人やおっさんなども出入りしている。

しかも、皆サバゲ―っぽい格好をしているのはなぜだろう?



ゲートの近くでそんな景色を眺めていると、1人の自衛官が近寄ってきて声を掛けてくる。


「すみません、もしかして進藤さんですか?」

ん? 俺の事を知ってる?

「はい、そうですが……あなたは?」

「やっぱり! 自分は元々大学に避難していた一般人です、あなたの薬のお陰で両親が助かりました、あの時は本当にありがとうございました!」

そう言って頭を下げる。


なるほどね。

「あの薬で助かったのなら良かったですね」

「これはあの時のお礼です、どうぞ……」

そう言ってポケットから取り出したのは、なんと職業の証だった。


「いいんですか?」

「はい! 自分は既に職業に就いているので大丈夫です、それはここのダンジョンで手に入れた証です、何の職業かは分かりませんが……」

最後は申し訳なさそうに言う。

ふむ、それなら有難く貰っておこうかな。


「ありがとうございます貴重な物を……そう言えば一般人だと言いましたが、今は自衛隊に入ったんですね」

「はい、避難民として大学で日々を過ごしてる中、自衛隊の人たちが一生懸命働いてるのを見てたら自分も何かしたくなりまして、自衛隊に入れてもらいました」

自衛隊って結構難しい試験とかあったはずだよな?

よく入隊できたなぁ。



そう言うと、避難民の中で結構な数の若者や動ける人は自衛隊に入ったと言う。

その際、以前のような試験ではなく人柄を重要視した面接が行われたそうだ。


人手が足りないからと山波さんが上に許可を貰い、面接で入隊を許可したらしい。

その後、落ち着いた頃に再度試験をしたのだが、皆レベルが上がり知力も高くなっていたので、簡単にクリアしたとの事。


そう聞くと今後、試験とかってガラッと変わりそうだな。

レベルを上げて知力が上がれば秀才が大量に増えるぞ。

まあ、本人のやる気次第だろうけど試験内容は以前のままとはいかないだろうなぁ。



「その内私の店を開くので寄って下さい、あの薬も商品にするつもりなので」

「それは是非!」

ではまた、という事で別れた。



今度はあのデパートダンジョンへと向かう。

ついでに仕入れでもしようかと思いながら行くと、ダンジョン周辺には結構な数の人たちが居た。


「随分人が増えたなぁ」

今でも自衛隊の天幕はあって、そこで何やら受付みたいな事をしていた。

近付いて見てみると、中に入る人の名前などを記入しているようだ。


そのまま観察していると、ダンジョンから出てきた人は天幕に寄って荷物を見せている。

あれは何をしてるんだろうか?

持ち物検査なら入る時だろうし……何を採ってきたのか確認してるのかな?

何のために?



そんな事を考えていると、自衛官がいくつかの食料を一般人に渡しているのが目に入った。


なるほど、魔石と食料を交換してるのか。

ん? 次の人は食料じゃなくてお金を貰っている?

自分で選べるのか。



日々その日食うために潜っている人は食料を貰い、他の人はお金を貰って別の所で何かを買うんだろうな。

街中を歩いていて、何軒か店らしい物もあったし。

スーパーもあったな。

ダンジョンから食料を仕入れてるのか?




俺は暫く観察した後、入るために天幕の受付へ行ってみる。


「すみません、中に入りたいんですが、何か決まりがあるんですか?」

俺がそう声を掛けると、こちらに視線を向けた受付の人が驚いた顔をする。

なぜ?


「貴方はもしかして進藤さんですか?」

またか?

「はい、そうですけど……どうして皆さん知ってるんですか? 直接会った事ありましたっけ?」

そう言って首を傾げる。


「いえ、直接お話をした事はありませんが、以前あなたが魔力制御の話をしていたのを聞いていました、あの後言われた通りにやると魔物を倒せるようになりましたよ、あの時はありがとうございました!」

そう言って額に手を持っていき敬礼する。


「いえいえ、為になったなら良かったですよ……所で中には入れますか? 山波さんに頼まれた物を採りにきました」

「あっ、隊長からですか? ……あぁなるほど、あれですね?」

あれとは何だ?


何の事を言ってるのか分からんがとりあえず頷いておく。

「そうです」

「大丈夫ですよ、進藤さんならそのまま入っていただいて問題ありません」

いや、それはそれで問題だろ!



俺に対する待遇がおかしいので聞いてみると、以前俺が山波さんに言った事も原因だった。


ここのダンジョンに2月程籠っていたので大丈夫だろうと、特に規制は無いとの事。

他の人たちは他の階層に行くには許可が必要なんだとか。

そこは今後変えていかないとね。



ラノベの冒険者のように自己責任で好きな階層へ行っても大丈夫! みたいな感じで、って冒険者も一応ランクで潜れる深さが決まってる物もあったか。


今後探索者っていう職業が主流になるのかねぇ。

そうなるとギルドで使ってるような魔道具が必要になりそうだけど……ギルドカードとか作れるのか?

あんな高性能なカードを現実で。


そんな事を考えながら、自衛官に挨拶をしてダンジョンの中へ入った。




中にもちらほら人が居て、完全体になったハイズールと戦っていた。

しかも、ハイズールの数も増えている。

これも魔力が満ちた影響か?


戦闘中の横を通って俺たちは奥へと進んだ。



「これなら許可が無くても他の階層に行ってる奴は居そうだなぁ」

と、中に入ってみてそう思った。


「あっ、それは俺も思った」

「私も~」

「絶対行ってるよね」

「自己責任で良いと思うけどねぇ」

「自分の力を過信して死ぬ者は多いだろうな」

ラノベでもそういう奴は必ず1人は出てきたなぁ。


そして勝手に死ぬか、他の者を巻き込むってのがテンプレだ。

勝手に死ぬのは良いけど、巻き込まれる人はたまったもんじゃない。

しかも、そういう事を意図してやる奴も居るのが人間である。

そういう奴を見ると、何のために存在してるんだろうかと考えてしまう。


…………ただの害虫と変わらんな。



いや、それで対策を練ったりする事で成長に繋がるのかも?

……しょうもない成長だ。



皆で雑談をしながら進み、デパ地下へと到着した。


さて、カルマはどう変わってるのかな?

ちょっとワクワクしながらエスカレーターを下りていくと、ちらほらと人が居るのが目に入った。


おお、既にここまで来てる人も居るんだな。

自衛隊の人も居るし。


すると下に到着した瞬間、誰かの声が響き渡る。



『魔物が出たぞ!! 気を付けろ!!』



「魔物が出た?」

それはおかしくないか?

以前は部屋を出て入っても魔物は出てこなかったぞ?

しかもまだ0時になっていないのにリポップした?



これはもしかして…………。

俺たちのせい?

読んで頂きありがとうございました。

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