3 スキルの仕組み。
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ドラゴン退治は霧島さんの報告で分かってるようなので、俺の話は省く事にして報酬の土地について詳しく山波さんに聞いた。
「なるほど、本当に自分の好きな土地を選んで良いんですね?」
「はい、大臣にも確認は取ってます、なので後は進藤さんが好きな土地を私に報告して頂ければ、書類等の事は私が済ませておきますよ」
おお、こういう土地の事とか権利とかの書類関係は非常に面倒臭いので有難い。
「どの辺りにします?」
「そうですねぇ~……」
現在東京は、荒川に沿って海側を壁で囲っている。
途中から国会議事堂の北側辺りへと壁が延びて、そのまま国会議事堂を過ぎた辺りから南へと海まで延びている。
しかし、数年後とかには壁は更に広がる可能性が十分にあるので、もう少し離れた場所に本社を置こうかと思っているのだ。
本社と言っても殆ど自分の家になるだろうけどね。
店舗を構えるなら小さな店を街中に設ければ十分である。
なんてったって収納があるからな!
という訳で、俺は江戸川沿いの土地を頂く事にした。
約200億相当の土地という事で、1キロ四方の土地になる。
土地の価格は以前より大分下がっているとの事。
まあ、魔物が居て活用できないなら価値は無いよね。
なぜここを選んだのか? 勿論江戸川を渡った先がダンジョンだからだ!!
以前入って引き返したダンジョン。
どんな資源があるのか、仕入れができるダンジョンなのかは分からないが、ダンジョンなら何かしらありそう? という事で選んだ。
なので前回渡った橋の周囲を俺の土地にしましたよ。
俺は紙の地図を広げ場所を指定する。
「なるほど、この辺りなら問題無いと思います、細かい土地の広さなどは後日書類でお渡ししますね」
俺は1つ気になった事を聞く。
「山波さんって、ここの代表になったんですか?」
「いえいえ、自分は現場に出てる方が合っているので」
なるほど?
「今ここの代表をしてるのは風間さんですよ」
「おお、風間さん! って、あの人鍛冶師なのに代表してるんですか? それに元々の市長とかは?」
そう聞くと、どうやら既に亡くなっているらしい。
政府の人間が代表をしなくていいのか? と聞くと、政府の人間は国を立て直すのに必死で、各街の代表などはその街の人たちが決めた人になっているとの事。
なるほどねぇ~。
「そう言えば、学校ってもう機能してますか?」
俺の問に山波さんと堀さんはキョトンとするが、俺が隣の由奈に視線を向けると納得したようで、頷いてから答えた。
「ええ、一部の小学校と中学校、それから高校も一部だけですが始まってますよ」
授業内容は以前のままのようで大学は教える人が殆ど亡くなっていて、教師の数が圧倒的に足りないそうだ。
ほう、まだ全部ではないが一部の学校は始まってるのか。
なら由奈を通わせるかと思い由奈に視線を向けると、俺が何を言おうとしているのか分かったようで、先に答えてきた。
「わたし生徒として行くより、教師になりたいと思ってるんだけど……どうかな?」
「教師?」
俺の問いに頷きだけで答えた。
由奈が教師……良いんじゃね?
美少女魔女っ娘教師が居る学校……俺が通いたい!!
「どの科目を教えるか決まってるのか?」
「うん勿論!」
「ほう……数学とか?」
由奈は数学が得意だからな。
「違うよ、私が教える科目は……魔法!」
『魔法?』とここに居る全員の声が揃った。
「あと魔法薬も教えたいかな?」
おお、あの魔法学校映画のような学校があるのか!
じゃなくて、これから作るんだな。
どうして由奈がこんな事を言い出したのかというと、実はスキルには2つの種類がある。
それは、スキル自体が力を持っているのと、スキルが情報の塊であるこの2種類だ。
前者は例えば【自己回復】や【魔法耐性】といったスキルになる。
後者は【武術】や【死霊術】等『術』が付くスキルは大体情報の塊である。
そしてその情報の塊である……面倒臭いので術スキルは大体、そのスキルを持っている人が他の人に教えると、持っていない人はその『スキルだけ』を習得する事がある。
これは俺と由奈が実証済みだ。
俺は職業に就かずに【刀術】スキルを手に入れた。
由奈も同じように【棒術】を手に入れている。
結局棒を使う職業が出なかったんだが、スキルを習得したので由奈は喜んでいた。
そして更に1番分かりやすい物で言うと【魔法陣】スキルかな?
新潟で凛久たちに教えた魔法陣は、スキルが無くても使えるのだ。
しかし、スキルが無い人が魔法陣を使うには、教えた人が作った文字しか使えないという制限がある。
スキルが無いと自分で作る事は不可能らしい。
由奈が持つ【魔法薬】スキルも術スキル同様で、人に教える事で作れるようになるが、全て【魔力制御】が必須となる。
なので職業を既に持っている人は覚えれば直ぐできるが、職業に就いていない人は魔力制御から覚えないと不可能なのだ。
ちなみに【魔力制御】と【魔力感知】は職業に就かなくとも覚える事は可能である。
「と、これらを踏まえれば今後、それぞれの職業スキルを教える学校を作った方が将来のためになるのは間違い無い……と、私は思いますよ? 山波さん?」
キョトンとして固まっている山波さんと堀さん。
少しして山波さんが復活して口を開いた。
「その情報が本当なら、確実に専門学校を作った方がいいですね……所で【魔法】はスキルが無くとも使えるんですか?」
ん? 言わなかったっけ?
……言ってないか。
「ええ、勿論スキルを持っている人に比べれば劣りますが、所謂生活魔法程度なら使えるようになります、更に訓練を続ければ【魔法】スキルを習得する可能性もあります」
「おお!! あの生活魔法ですか!? 自分は魔術でやってますけど、魔法でもいけるんですね?」
と同志のテンションが上がってしまった。
すると山波さんが、堀さんの言葉を聞いて【魔術】も使えるようになるのかと聞いてきた。
「えーっと、実は……」
俺は魔術について説明する。
魔術は他と少し違う。
基本は魔法陣と変わらないが、魔術は更に魔法契約というものが必要になってくる。
勿論教える側と教わる側のだ。
魔法契約で魔力の繋がりを作らないと、魔導士が作った魔術を発動させる事ができないようになっている。
これはスキルの中にある魔術を発動させるための媒体と言えばいいのか、キーが必要になるので、契約でスキル保持者と繋がらないと発動できない。
おそらくこれは安全装置的な物だと俺は思っている。
ちなみに魔術は属性魔法の複合で、魔法陣はラノベ的に言えば魔導回路に近い。
なので魔導士のように魔法陣で魔術のような攻撃魔術を発動させる事は不可能である。
その場合も契約が必要だ。
「という訳で、魔導士からは魔法陣を教わり、魔術の方は専属の弟子を持つ事になりますね」
「なるほど……これを大臣に話しても大丈夫ですか?」
「ええ、専門学校を作るかどうかは国で決めて下さい、そこで教師になるにはどうすれば良いのか決まったら連絡下さいね」
そう言って俺は、自分の連絡先を書いた紙切れをテーブルの上に置いた。
「分かりました、では土地の方は正式に決まれば連絡しますので、暫くは東京に留まって下さいね?」
「それは勿論です、私も会社を立ち上げるために戻ってきたようなものなので」
暫くはデパートダンジョンで仕入れかな?
その後、少しの間雑談した後、俺たちは大学を出て街へと繰り出した。
どう変わったのか観光だ!
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