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8 リスポーン。

下着売り場に居たハイズールとグランドハイズールを魔術と刀で倒すと、更に証をドロップした。



『暗殺者の証』

『鍛冶師の証』

『武闘家の証』



生産職業の証まであるのか。

証は幾つあるんだろう……全部集めるのに何年かかる?

どんな職業が他にあるのかめちゃ気になるよね。



そして武闘家の証が2つになった。

結構普通に出る証なのかも?

もう1つ魔導士の証が出たら、武闘家を試してみようと思う。

魔導士に戻れなかったら嫌だし。



魔術は戦闘に滅茶苦茶向いている。

後衛なのに一文字で魔法が発動するから、牽制や近接でも役に立つ。

氷の槍を放つとハイズールは避ける事も出来ずに粒子へとなった。



肌が無いから寒さに弱いかなと思って氷にしてみました。



グランドズールは火で囲み、徐々に狭めていくという魔術で仕留めた。

趣味の悪い事をと思っただろうが、これはちゃんとした実験である。

発動した魔術のコントロールができるのかと試したら、ちゃんと出来たので良かった。

出来なけりゃ、グランドズールは火でじっくり炙られていただろう。

流石に俺でもそれは魔物が相手でも気が引けるので、そうならなかったのが救いだ。



女性用の下着を全て収納すると婦人服売り場とは反対側に、通路があったのでそこを進んでいく。

しかし驚いたのは、婦人服が全て元に戻っていた事だ。

どういう事かと言うと、下着売り場に入ってズールを倒した後、婦人服の方を見ると収納した服が復活していた。

慌ててリストを確認すると、ちゃんと服はアイテムバッグに入っていたので、これは部屋を出るとリスポーンするのだと分かった。

ちなみに魔物は復活していなかった。



婦人服をもう一度収納し、下着ももう一度収納してから通路を進んでいった。





次に発見した部屋と言うか店? はアウトドア用品の店だった。

此処にもハイズールとグランドズールが居たので魔術でキルした後、全ての物を収納させて頂きました。

が……此処で一つ問題が。



リュックが一杯になったのだ。

まあ、あんだけ物を入れればそりゃ一杯になるよねって事で、アウトドア用品にあった、登山用バックパックをマジックバッグにクラフトしようと、部屋で作業をしている所である。

「これカッコいいな」

数種類あるバックパックから良い感じのを選ぶと、さっそくイメージを固める。



【重量軽減】【所有者登録】【時間停止】【空間拡張】【自動修復】【カット&ペースト】【耐久強化】

これらの効果を付与した結果。

魔力が500消費されました。

【空間拡張】は以前より大きめにイメージした。

以前は5メートル四方のサイズをイメージしたが、今回は50メートル四方のサイズをイメージしたので、容量は滅茶苦茶増えたはず。


【カット&ペースト】は、別のアイテムバッグに移す時に中身を瞬時に移動できるように付与した効果だ。

両方のリュックに触れながら、両方のリストを立ち上げてカット&ペーストをやるだけで、荷物を移せるようにイメージした。

その御かげで、登山用バックパックへ簡単に移す事が出来た。




作業が終わると腹が減ったなぁと思い、スマホを確認すると既に19時を過ぎていた。

慣れたもんで直ぐにラーメンを作って食べると、タバコを吸って一服する。

「そろそろ食料がヤバいな」

このダンジョンに食料売り場があると思うんだけど未だに見つからない。

服や下着のようにリスポーンするなら、大量の食糧をゲットできるチャンスなんだけど。



タバコを吸っているとふと思って、魔術の開発を始める。

水と風の魔術で身体を綺麗にする魔術だ。

ラノベでよくあるクリーンの魔法だな。

「あぁ、属性を付けずに無属性も入れた方が効果はありそうだな」

と、ラノベのクリーンを思い出しながら、試行錯誤して30分程で完成した。



魔法陣を頭上に展開するとクリーン魔術が発動して、髪がサラサラになり全身風呂に入った後のようにさっぱりした。

ついでに口の中も歯磨きしたようにスッキリ!

この魔術はこれからもお世話になるだろうなと思う。



しかし、心に余裕が生まれるとじっくり風呂に入りたいなとも思うのはどうしてだろう。

風呂用の魔術か魔道具もヒマな時間がある時に作ろう。




結構な時間この部屋に居座っているが、魔物や物はリスポーンしない。

物は部屋を出ればリスポーンする事は分かっているが、魔物はいつリスポーンするんだろう?

「危険かな?」

この部屋で野宿しようかと考えるが、魔物がリスポーンしたら危ないよね。

…………一旦外に出た方が良いかなぁ?

日付が変わったら魔物がリスポーンとか嫌だしな。

違う通路を通って、入り口の方へ戻るか。

マップも埋めたいし。



そうと決まれば早速出発の準備をして部屋を出た。




通路には偶にハイズールが居るんだけどそんなには居ないようで、通路はガンガン進める。

ぐるっと回って入り口の方へと向かって通路を進んでいると、見慣れた物が出てきた。

通路の左側に下へ右側には上へ行くエスカレーターが、通路沿いにあった。



エスカレーターの下から上の階を見ると、デパートのように明るい天井が見える。

下を覗くと、少しだけみかんが積まれてるのが見えた。

「デパ地下」

そんな言葉が頭に浮かんだ。



この下って食料売り場じゃね?

って言うか、ダンジョンなのに上も下もあるのか。

いや、勝手にダンジョンだと思ってるだけなんだけどね。

ダンジョンではなく、何かの施設なのか?

ま、今それはどうでもいいか。



スマホを取り出して時間を見る。

既に20時を過ぎている。

「ん~……どうする」

そこでふと気になった。



周りを見て此処は全く魔物が居ない。

下の食料売り場も入らなければ、魔物はアクティブにならないし、エスカレーターがある分、この辺りは少し広くなっている。

………………。



「よし、此処で野宿しよう」

と決めて、さっそく準備に取り掛かる。

アウトドア用品にあった寝袋を取り出し、クラフトする。

イメージして……発動。



【快眠】【疲労回復】【快適温度】【快適湿度】

の効果を付与した。

魔力120も消費したぞ。

エスカレーターの前に陣取り寝袋を広げると、通路をエスカレーターから少し離れた場所まで行き、用を足す。

寝る前には必ず小便に行くのが昔からの決まりなんだから、仕方がない。

クリーン魔術で手を綺麗にしてから戻って寝袋に入る。



何か営業中のデパートで寝るみたいで、テンション上がるな。

以前なら絶対やらない事だしね。

寝転びながらスマホを取り出して色々弄ってみるが、やっぱりネットは見れないようだ。

まあ、そりゃそうだよな。

いずれネットも復活するのかねぇ~。

何年後になることやら……。




そんな事を考えている内に、いつの間にか眠りに入った。

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