24 準備開始。
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ドラゴンの咆哮が聞こえた方角を見ると、まだかなり遠いがその大きさは分かった。
「デカッ」
と、ついそのデカさに声に出してしまった。
数百メートル離れているのにハッキリと見えるその巨体。
あれはヤバくね?
しかもグリドラじゃなくブルドラである。
あ、ブルードラゴンの略ね。
大体で言うとおそらく羽を広げた状態の横幅は、100メートル以上はありそうだな……。
んで、全長は飛んでるから分かり難いが……尻尾を入れたら80メートルはあるね。
えっ、何あれ?
地球に居て良い生物じゃないでしょ。
と、そんな感じでブルドラを眺めていると皆が到着した。
「グリドラだけじゃなかったんだな」
到着早々、ユウがブルドラを見て言う。
「俺が思うにあれはたぶん、グリドラたちの親だと思うんだよね」
「母ちゃんか!?」
「いや、父ちゃんかもしれないぞ? ドラゴンの性別なんて見ただけで分かってたまるか!」
ともあれ、あれで最後にしてほしいものだ。
そろそろ射程内に入るので準備をする。
「さて、ドラゴン退治始めますか!」
そう言うと皆が頷いた。
距離が100メートル程になると、その姿はまさに空飛ぶ要塞に見える。
普通の攻撃はおそらく効かないだろう。
ではどうやって攻撃をするのか?
勿論根源魔導である。
試しに根源崩壊を撃ってみる。
あの異世界の魔物を倒した時と同じ魔力2万の根源崩壊だ。
スッと静かに小さな光の球が飛んでいきドラゴンの身体に触れた瞬間、拳を握り締める。
『GUOOOOOO――――!!!!』
根源崩壊が当たってもブルドラは咆哮を上げるだけで効いている様子は無い。
マジかよ、流石ドラゴンだな。
根源崩壊しないのか。
それとも複数持っているのか?
どっちにしろ他の手を探さないとな。
すると、ブルドラが自分の周囲に直径2メートルはある光の球を大量に生み出した。
あれは……魔法?
そんな事を考えていると、その光の球が周囲へと発射される。
その内の1つが俺に向かって飛んできた。
「うおっ!?」
俺は咄嗟に縮地で横へと逃れ躱す。
着弾した場所は爆発を起こし地面が抉れていた。
他の皆もちゃんと避けたようで、それぞれがバラバラになる。
「各自全力で行け!!」
「おう!」
「分かった!」
「全力の魔法をぶつけてやる!」
「皆のサポートをするわねぇ」
「ワシが斬ってやろう!!」
頼もしいねぇ。
さて、どうやって攻撃しようか。
根源崩壊が効かないとなると生半可な攻撃じゃ無理だ……あれをやるしか無いか。
嫌だなぁ~……疲れるんだよね。
しょうがない、準備をしますか。
俺は全員に念話で伝える。
『あれの準備に入るから暫く任せた』
『やっぱあれをやるのか、任せろ!』
とユウが返事をする。
『やり過ぎないようにねー、時間は稼ぐから任せて!』
なっちゃんは以前俺がやらかした事を心配している。
『ヨウ君暴発しないように気を付けてよ!?』
由奈よ、その言動は誤解を招くぞ。
『皆のサポートは任せてねぇ』
美晴さんは相変わらずだな。
『洋介の準備が整う前にワシが斬っても良いんだろ?』
流石おっちゃん、そのつもりでやってくれて全然オッケー!!
そしたらあれをやらなくて済むからね!
むしろ斬って!
さて、皆が動き出したので俺も準備を始めるか。
そう思い俺は、その場でドカッと地面に座りユキのバッグを肩から外し横に置くと、バックパックから5冊の茶色い革の表紙でできた薄い本を取り出し目の前の地面に並べる。
ちなみにこの辺りの雪は、既にドラゴンブレスで消し飛んだので顔も寒くない、逆に地面からの熱気が少し残っていて温かいのだ。
さて、この本は俺が魔導書スキルで作った魔導書だ。
残念だが一般的に思い浮かべる薄い本の内容とは全然違う。
えっ、分かってた?
それなら良いけど。
異世界ダンジョンに入って最初に使った魔導書。
あの後俺は、魔導書スキルで他にできる事は無いかと、スキルと向き合いながら情報を探っていた。
するとこれがあったのだ。
魔導書スキルは豪華な装飾が施されたオリジナルの魔導書の他に、登録した魔法、魔術、魔導を個別に魔導書を作成する事が可能だった。
そこで俺は全ての魔法、魔術、魔導を個別にして魔導書を作成。
そうする事でオリジナルの魔導書の魔力は減るが、また魔力を貯める事が出来るようになる。
そうして俺は約3年間、魔導書の魔力が溜まったら個別に作成してを繰り返し、魔法、魔術、魔導の魔導書をたっぷりと貯め込んだのだ。
これで終わりじゃないぞ?
ここからが大変なんですよ。
この魔導書はタダの補助に使う物。
俺は地面に並べた薄い魔導書に、指先を少しサバイバルナイフで斬って血を1滴ずつ垂らしていく。
すると、魔導書に血が沁み込むように消えていくと魔導書が微かに光を放つ。
これで前段階は完了だ。
ちなみにこれ、血に魔力を込めてやらないと意味が無いので注意!
じゃないとタダ血を垂らすだけになっちゃうぞ。
「はぁ~、また暫く動けなくなるのかな」
少し躊躇いながらも俺は、魔導書に手を翳し根源魔導を発動させた。
いや、以前の俺より成長しているんだしいけるかも?
まあ無理なら皆がフォローしてくれるだろう。
おっと、そう言えば異世界ダンジョンから戻ってからのステータスを確認してなかったな。
ついでに見ておこう。
今回 前回
名前:進藤洋介
年齢:40歳
種族:人間
状態:良好
職業:賢者100%▽
レベル:93 レベル:51
魔力:587520 魔力:28270
筋力:655 筋力:281
体力:642 体力:269
敏捷:678 敏捷:276
知力:883 知力:312
精神力:924 精神力:308
運:98 運:56
ユニークスキル:【想像生産】【最適化】
スキル:【暗視】【刀術】【魔力感知】【魔力制御】
【魔術】【魔法陣】【魔道具知識】【武術】
【気功】【瞑想】【自己回復】【魔法】
【魔力強化】【魔法耐性】【調理】【促進】
【醸造】【鍛冶】【形状記憶】【品質強化】
【調合】【薬効強化】【成分鑑定】【暗殺術】
【毒作成】【死点】【交渉術】【真贋】
【保管庫】【幻術】【投影】【幻無効】
【アイテムボックス】【天気予知】【道筋看破】【剣術】
【剛腕】【見切り】【剛剣】【闘気】
【縮地】【予知】【テイム】【共感】
【念話】【錬金術】【素材鑑定】【魔力変換】
【死霊術】【手術】【死霊感知】【治療】
【補助】【診察】【根源魔導】【魔導書】
【魔力操作】【不老】【速読】
おお、異世界ダンジョンで大分強くなったなぁ。
レベルがもう少しで大台に乗る。
職業はずっと賢者のままだ。
成長させるために約2年程100%になってからそのままだが未だ変わらず。
なのでスキルも【速読】を習得しただけで他は変わっていない。
速読は色んな本を読んで勉強していたら覚えた。
知力が上がってじゃんじゃん記憶できるから勉強が楽しくてさ。
ちなみに今の筋力がどれくらいかと言うと、軽自動車が時速60キロ程で突っ込んできても片手で止められるくらいはある。
普通車だと両手で踏ん張れば止められるかな?
大型車なら強化すれば両手で止められるね。
さてと、皆の戦いを見ながら進めていきますか。
読んで頂きありがとうございました。




