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19 精霊?

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

ドラコスはプテラノドンのようにトサカが付いているのでよりプテラノドンに見える。

こいつは食えるのかな?

確かめるためにスコープで覗いてみる。



『【種族】飛竜ドラコス

 【特徴】風の魔法を扱える魔物。

 【詳細】飛竜種の中でも比較的小さいが性格は凶暴な肉食で、他の魔物や人間も鋭い牙と強靭な顎で噛み砕いてしまう。特に魔物の子供や人間の子供を好む。肉質は鳥に似て淡泊で可食。特に尻尾の根元は魔力が豊富で美味。』



はい、可食キタ――――!!

というわけで直ぐに収納しました。

処理は良い場所が見つかればそこでやる。



その後、車に乗って果歩路市を目指していると、後部座席に居る由奈が口を開いた。

「あれってさっきの魔物かな?」

丁度運転席側から見えるので視線をチラっと向けると、遠くの空に先ほどの魔物と同じくらいの大きさをした魔物? が数匹飛んでいた。



徐々に道路がそっち方面に向いて曲がっているので丁度前方になると、俺は違和感を覚えた。


「あれが飛んでるのって果歩路市に向かう途中にある山の辺りじゃね?」

船で海を渡っている間、コンビニで手に入れた地図本で確かめたから分かる。

あの山から果歩路市は結構近いぞ?

しかも、飛んでる魔物からした目と鼻の先だ。

ヤバいかもしれないな。



1番大きな街なら人も多いから防衛に向いているが、魔物から狙われやすくもある。

幸い果歩路市と周辺には自衛隊の駐屯地は多いので、大丈夫だとは思うが。


街が無事なのか少し心配しながら俺達は海沿いを走っていたが、途中から山へと入った。

雪が積もっている中、車で山を登っていると、ちらほらと魔物を見かけるようになる。



「やっぱ寒い地域だとああいう獣系が多いな」

助手席のユウが突然、窓の外を見ながらそんな事を言う。

一瞬視線を向けると、白い毛に覆われた狼のような魔物が数匹群れているのが見えた。

「ああ、それに虫系の魔物も白いって事は、水とか氷属性の魔物だろうな」

って、あの狼みたいなのって有名なダイアウルフじゃね!?


大昔地球に居たとされる絶滅した狼だが、ゲームやラノベにもちょくちょく出てくるあの狼。

車のスピードを少し落としてもう一度確認するとハッキリした。



「複眼かよ」

しかも足が6本ある。

目が4つ? いや6つあるね。

完全な魔物でした!




その後暫く走っていると、とうとう車で進むのが困難になり、俺達は歩いていく事にした。


「ヤバいな」

と、車をキーに収納した俺が呟く。

「何かあった?」

なっちゃんが聞いてくる。

俺は非常にマズい事に気付いてしまった。



「このままだと、山の中で年越しする事になる」

俺の言葉に全員固まった。

まあ、テントはあるからいいんだけどね?

やっぱ以前の習慣というかさ。


コタツに入って年越しそばを食べながら、テレビを見るのが毎年の恒例っていうか、そういうのあるじゃん?

俺は特に1人で毎年そうだったからね~。

今までと違う年越しをするのがどうも違和感がある。

まあ、今年は皆が居るのでそれはそれでいいけど。




その後、皆の歩くスピードが気持ち速くなっているのは間違いないが、俺もなるべく早く山を抜けたいと思い歩いて行く、すると1時間程して吹雪いてきた。


「まだ昼前だけど、今日はここら辺で休むか」

「そうだな、由奈とヨウにはキツイだろ」

そう、由奈と俺以外はアンデッドなので寒さも関係ない!!

俺と由奈は快適服着ているが、顔が寒すぎて痛いのだ。



誰も通らないだろうけど、一応道から外れた場所にテントを張り、各々休憩する。

ユキはバッグの中で丸まって寛いでいた。

俺がホットコーヒーを飲みながらタバコを吸っていると、魔力反応があったので何も言わずにそっとテントを出て確かめる。


「ん?」

吹雪きの中を凝視する。

「どうした?」

するとテントから出てきたユウが声を掛けてくる。

「微かに魔力の反応があったんだけどな……消えた」

俺がそう言うとユウも辺りを確かめる。



何の反応だったのか?

こういう時ってラノベ知識だと大体が精霊ってのが定番だが……まさか本当に精霊が居るのか!?

いや、散々魔物で懲りただろオレ!

精霊が居たとしてもきっと気持ち悪い精霊に違いない。

精霊かどうかも怪しいしな。



まあ、直ぐ消えたって事は離れたか死んだんだろうし、気にする程でもないか。

俺は吹雪いている空を見上げ、今後の天気を確かめた。

「あぁ、今日1日はこのまま吹雪だな」

「ん? ああ、天気予知スキルか」

俺は頷きだけで答える。

ついでに言えば、道筋看破のお陰で道に迷う事も無いので便利だ。



俺とユウはテントの中に戻り、夜まで訓練したり皆でトランプをしたりして時間を潰した。




夜になり皆が寝静まる中、突然声が響く。

『アイタッ!?』

その声で皆が目を覚ます。


「……ん? 誰だ今の?」

周りを見ると全員居るみたいなので、他の誰かになる。

最初に俺がテントを出て確かめると、張った結界のすぐそばで雪の上に座りながら顔を押さえている人が居た。



女?

「誰ですか?」

声を掛けるとビクッと身体を揺らし、そっと指を空けた隙間からこちらを見てくる。

いやいや、バレバレだぞ?

「うわっ、カッコいい~」

すると顔から手をどけて素でそんな事を言う。

何だこいつ?



そこでテントから出てきた由奈が女を見て指しながら叫んだ。

「ああー!! カリンさんだー!!」

「ん? 由奈の知り合い?」

って、なぜ由奈の知り合いが北海道に?


「違うよ! 知らないの!? 北海道出身で面白くて可愛いで有名な女優さんだよ!?」

「女優? ……あっ、中谷カリン!!」

いやぁ~、家にテレビが無いので殆ど見てないんだよね。

ネットで動画を見るくらいだが、この人の動画は偶に見てた。

なるほどね……ん?



「昼前にこの辺りに居ました?」

「へあっ? あ、あぁ~……居ましたね、居ました居ました、たぶん?」

なるほど、あの魔力反応は中谷さんか。

チッ、精霊じゃないのかよ。



まあ、有名な女優に会えたから良かった? のか?


「って、なんで有名な女優さんがこんな所に?」

「えっ、いやぁ~それが……」

話を聞いた俺はこう思った。



「方向音痴過ぎるだろ!!」

あっ、言っちゃった。

まあいいか。

読んで頂きありがとうございました。

忙しくて心が折れそうです。

そろそろ……暇になると良いなぁ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 暇になりすぎても大変よww
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