16 支払いは……。
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日が変わってしまった。
宮本さんと取引契約をしたので魚介は今後、定期的に楽に仕入れられるようになった。
ちなみに、宮本さんと連絡先は交換済である。
電気が復活して街中に残っている基地局も復活したので、まあ全部ではないので一部ではまだ繋がらないが壁の中だと大体繋がるようになっている。
俺と由奈のスマホは基地局とか関係なく繋がるけどね!
なんせ空間にある魔力で通信しているので、全ての空間が基地局みたいなものなのだ。
さて、ここから北海道へ向かう前に、この街で商売をしようと思います。
というわけでやって来ました役所!!
現在商売を勝手にしていいのか分からないので聞きに来たんだが、役所は閉まっていた。
八炉市の街は結構綺麗に残っているが、役所の仕事は始まっていないのか。
役所の前で困っていると、巡回している自衛官が話しかけてきた。
「役所はまだ始まっていないですよ」
「あっ、私はいま行商をしていまして、勝手に商売をして良いのか聞きに来たんですけど……」
そう言って役所に目を向ける。
すると自衛官は納得したようで頷いて答えた。
「行商っていうと、銃火器類は含まれていないですよね?」
「勿論です……刀剣類はありますが」
そこで自衛官は鋭い目になる。
「ちょっと今から一緒に来てもらえます?」
「はい、良いですよ」
そうして自衛官に付いていき、街中にある雑居ビルへと到着した。
他の自衛官が入ったり出たりしているので、おそらく仮拠点にしているのだろう。
そのまま正面の開かれているガラス扉から入ると、元々不動産会社だったのか、間取りが描かれたチラシが壁に貼られているのが目に入った。
そのまま応接室と書かれたソファが置かれた部屋に通され、少し待っていてほしいと言われたので全員で待つ。
俺とユウがソファに座り、ソファの後ろに自衛官が用意してくれたパイプ椅子に他の皆が座って待っていると先ほどの自衛官ではなく、30代程の男性が入ってきた。
「どうもお待たせしました……自分は1等陸尉の霧島と言います」
自己紹介をしながら対面に座る。
「どうも初めまして、商人の進藤です、でこちらが……」
と、全員を紹介するとさっそく本題に入る。
その後、話を聞くとどうやら俺が刀剣類を売る事は問題無いようで安心した。
逆に売ってほしいと言うのでどういった物が欲しいのか詳しく聞くと、ドラゴンに効果がある武器が欲しいそうで、現在試行錯誤している最中なのだと言う。
しかし、何が効くのか分からないらしく、そこで『怪しい商人』を発見したというので、俺に話が来たのだ。
怪しい商人……良いね!!
俺が目指していた所でもある怪しい商人!!
ではそれっぽくいきますか。
ヘルメットを深く被り直しニヤっと笑いながら話し始める。
「ドラゴンに効果がある武器ですか……あるよ」
「本当にあるのか!?」
霧島さんは腰を少し浮かせる。
「まあまあ落ち着きなさいな」
「あっ、これは失礼を……で? その武器というのは?」
座り直し落ち着いた所で俺は目の前にあるテーブルに、ハンドガンを1つ取り出した。
ゴトッと置くと霧島さんが……。
「これはっ!? ……銃火器類は無いと聞いてますが?」
鋭い視線で俺を見る。
「フッフッフッ……これは『銃火器』ではありませんよ旦那」
「旦那? いや、どう見ても拳銃……」
「これは『魔導銃』です、言うなれば『銃魔器』ですかね?」
これは魔力を撃ち出す銃だと説明する。
「魔導銃……魔力を……」
そして仕組みも説明した。
これは勿論俺がクラフトでサバゲ―ショップで手に入れたモデルガンから作った物だがそこは省略し、撃ち出す銃弾、つまり魔力の量によって威力は変わる。
しかし、ここで大事なことが1つある。
「それはイメージです」
「イメージ?」
どういう事かと言うと、ただ自分の魔力を消費して撃ち出す銃ではなく、魔法や魔術と同じで、イメージが銃弾や威力を変える仕組みになっているのだ。
なんせ魔力が銃弾ですから!!
例えば、追尾する銃弾、曲がる銃弾、鉄板を貫通する銃弾などだ。
当然属性を変える事も可能である。
遊びで作った物だが、当然これを一般に流す事はしない。
相手が自衛隊だからこそ売るのだ。
国の防衛を頑張ってくれ。
銃の種類は他にもちゃんとある。
ライフル、サブマシンガン、スナイパーライフルと、最後にこれはモデルガンからではなくてくず鉄と魔物素材で作ったロケットランチャーだ。
勿論威力が上がれば上がる程、魔力の消費は多くなるので気を付けるように注意する。
「で? 支払いはどうします? お金なら結構な額になりますよ?」
「ん~……現金で支払うなら今すぐは無理だが、他の物なら直ぐにでも用意できる」
「それは?」
「土地だ」
なるほど……。
「どこの土地ですか?」
話を聞くとどうやら現在、壁で囲っている街以外などの土地をどうするのか議論をしているらしい。
山や囲っていない街は結構ある。
それら現在の持ち主は生きている人も居れば、既に亡くなっている人も居る。
そういう魔物が居て活用できない土地を一旦国が管理し、後に欲しいと言う者に売るようにしようかと話が出ていると言う。
いや、俺は元々土地持ってないからいいけど、それって反発するんじゃね?
大丈夫なのか?
んで、それらの余ってる? 土地を俺に譲るという形で支払いをしたいと……面倒な土地を良い感じに言って、それで支払いをしようという事だな。
ふむ…………。
「良いでしょう! その支払い方法で大丈夫ですよ……土地は選べるんですよね?」
「良かった……ああ、好きな土地を選べるようにしておくよ、もしこれが無理なら後に現金で数十億支払う事になってたと思うと胃が……」
「何言ってるんですかぁ~、合計金額は200億超えますよ」
「にひゃっ!?」
当然である。
この武器は現在の魔導士にさえ作れない代物なのだ。
いずれ劣化版を魔導士が作る事も可能だろうけどね。
この兵器は現代技術から大分先をいっている。
それを数十億なんて……片腹痛いわ!!
結局、ここの自衛隊には魔導銃と刀剣類を購入して頂いたのだが、合計金額はなんと650億となり、霧島さんは顔を引き攣らせていた。
それ相応の土地となると、かなりの広さになりそうだ。
なので一部は現金で支払ってもらう事にする。
ちゃんと魔導契約をしてから品物を引き渡すんだけどその間、霧島さんはどうやら防衛大臣辺りに連絡して報告していたようで、何とか許可は下りたと言う。
これで好きな土地を選べる事になった。
選ぶのは勿論東京である。
俺の商会? ラノベ知識が出てしまう。
会社の本社を東京にするために。
東京に戻って会社を作ったら今度は、関西方面に行商へ行こうかな。
あっちもどうなってるのか俺は知らないのでちょっと楽しみである。
まあ、その前にドラゴンだけどな!!
読んで頂きありがとうございました。




