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9 帰還。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

大量の魔物を倒した俺達は、一旦入り口へ戻り休憩して魔力を回復させると、再び攻略を進めた。



攻略を進めると言っても魔物のレベルが桁違いなので、このままだと最下層まで行けないと分かり、レベル上げとスキルの訓練をしながら最下層を目指した。


幸い食料は大量にあるので大丈夫だが、偶に獣系の魔物を解体して食べたりと、結構楽しみながら攻略は進んだ。

ちなみに、魔物の肉は美味かった!

美味いと分かってからは結構な数を狩って収納してあります。



最初は1階層進むのも1ヶ月程掛かった。

だって魔物が強すぎるんですYo!

2ヶ月程は常に全力で戦って倒しては休憩の連続ですYo!

すまん、ちょっとテンションがおかしくなっているのだ。



あの地獄のダンジョンを攻略した事はしたんだけどね。

攻略と言うか最下層まで到達して地球には戻ってこられたよ。

あっ、テンションは戻ったので大丈夫。



地球へ戻ってくるのに掛かった年数は約3年? 少し過ぎてるかな?

まあ、大体それくらいだ。

細かい事は気にしない!

もうね、何度死にかけたか。

って、そんな事はどうでも良いか。



それより途中で面白い発見があった。

攻略を始めて大体半年程経った頃、荒野エリアの崖上で休憩しているとユウがこんな事を言う。


「なあ、職業って勝手に変わるのか?」

俺は最初何の話をしてるのか分からず聞くと、どうやらユウの職業がいつの間にか変わっていたらしい。


ユウはずっと武闘家で100%になっても変えずにそのまま武闘家で居た。

何故かと言うと、武術の心得によって武術スキルの成長が早いからである。

偶に組手をやったりして一緒に訓練をしていたが、ユウはかなり武術が好きなようで、ちょくちょく1人でも研鑽を積んでいるようだ。



そんなユウが職業が勝手に変わったと言うのだ。

これは何かあるでしょ。


「武闘家から何に変わったんだ?」

「《気功師》っていうのに変わった、しかもスキルが【気闘術】スキルが増えてる」

ほう、なるほど……。



そこで俺の超天才的脳味噌が働いた。

「……成長」

ボソッとそう呟く。


俺はずっと引っ掛かっていた事があった。


それは【魔石成長】の事だ。

ジョブストーンの説明には『魔力を十分得ると転職可能』と記載されていた。

そして魔石を取り込めば12%増える事も分かっている。

これが100%になれば転職可能になるという事もな。


だが、魔石成長の【成長】という部分に俺は違和感を覚えていた。

魔石を取り込んだあの時、確かに12%増えたが特に何が成長したという感じは無かったのだ。

あれはただ転職可能になるだけで、何かが成長しているなんて感覚は無かった。



つまり、職業を100%にするという事は転職可能になる『条件』であって『成長』とは違うという事だ。



そして今回、ユウの職業が変わった事ではっきりした。

「たぶん、ユウの職業は成長したんだろう……おめでとう!」

「成長? 職業が?」

俺は先程考え到った事を説明した。



「なるほどなぁ……確かに100%になっても成長は感じられなかったからな、それなら納得だ」

「ん? って事は、俺も大賢者になれるかも? やっほぅー!! 俺も100%になっても変えずに賢者を続けてみるか」

そうすればいずれ……。



あれ? じゃあもしかして、剣豪を続けていればまさかの『剣聖』になれた?

いや【魔石成長】って言うくらいだから、魔石によっては他の職業に成長する可能性もある?


ユウは魔石を使っていないが、おそらく武術の熟練度と気功の熟練度を上げた事で気功師へと至ったんだろう。

あの魔物に気功が効かなかったのがよほど悔しかったらしい。

あれから気功の訓練もきっちりやっていたからな。

そしてそこに何かの魔石を使えばまた別の職業に変わっていた可能性もあるという事だ。



ヤベー。

職業楽しいんですけど。

いったいどんな職業があってどんな成長をするのか、世界の図書館で全部調べようとしたらどれだけの年月が掛かるのやら。

しかし、そんなネタバレするような事はしない!



そこはこれから人類が、長い年月を掛けて証明していくんだろうな。

それらをコンプリートするのは流石に不老でも不可能か?

いつか情報を纏めて職業図鑑とか作りたいねぇ。

ゲームの攻略本みたいになりそうだけど。




それから俺達は、今まで以上にレベル上げとスキルの訓練に励んだ。

当初の目的であるなっちゃんとおっちゃんとおばちゃんの身体も作ったぞ。


みんな最適化をした結果、おっちゃんは白髪のイケオジになり、おばちゃんは白髪の綺麗で色気のある女性になった。

なっちゃんは黒髪で由奈の母親に見えるように、滅茶苦茶可愛い女になった。



最初なっちゃんの身体を作る時に……。

『私は由奈の妹に見えるように作ってね!』

「そこはせめて姉にしろよ」

と俺がツッコんだ事で、以前のなっちゃん通りに作り最適化をして由奈の姉という位置に落ち着いた。


「由奈、私の事はお姉ちゃんって呼びなさい」

「え~、ママはママだよ?」

「そうなると由奈の母親が居なくなるだろうが!」

「由奈、人が居ない時はいつも通りでいいからね?」

「ん~……間違えそう」

何だこの家族?



ちなみにユウも最適化をしてイケメンになっている。

茶髪で何処の王子ですかって感じだ。


なっちゃんは白の迷彩柄服でおっちゃんは何故かスーツになり、おばちゃんは由奈と同じ黒系の装備にした。

由奈と同じが良いと言うのでそうなったのだ。



由奈は3年程経つが見た目的にはそんなに変わっていない。

ちょっと大きくなった? っていう程度だ。

あっ、身長の事ね。


これが最適化の影響なのか、それとも魔力の影響かは分かっていない。



そして一番変わったのが、ユキである。

数か月でしっかり大人の猫になり、真っ白で綺麗な毛並みをしている。

しかも念話で会話までするようになった。


『チュルール欲しい~、ちょうだい?』

と見つめてくるユキ。

「しょうがないなぁ~」

と、相変わらずユキに甘々な俺です。

滅茶苦茶可愛いんです!!



更に俺が魔物を倒したら、ユキもレベルが上がっていたようで、子猫の時から結構強くなっていた。

いつもバッグの中で寝ていたユキなので分からなかったが、レベルが上がった影響なのかよく寝ていたな。


大きくなってからは戦闘のサポートをしてくれるようにもなったから有難い。

流石俺の従魔? 従猫? だな!!





そんなこんなでやっと地球側のダンジョンへと戻ると、入り口の階段下に出た。


「うわっ!? ビックリしたぁー……いま壁から出てきた?」

出るといきなり成人男性が声を出して驚いていた。

正直俺もビックリした。


「あっ、すみません……って壁?」

俺達は振り向いて出てきた所を確認すると、確かに壁だった。


なるほどね……ダンジョンの不思議だな!



「確かに壁ですね……ビックリ、それよりこれは……」

俺は周りを見渡す。

「あぁ、飯を食うために来てるんですよ」

と男性が教えてくれた。



そう、あの和食や中華、レストランが左右にビッシリ並んでいる通路に、ちらほらと人が居るのだ。

確かに此処の店は魔石で食えるけど……どうなってんの?



俺達が異世界に行っている間に状況がどうなったのか確かめるため、急いで外へと出た。

読んで頂きありがとうございました。

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